【古典洋画】「愛なき女」

大好きなルイス・ブニュエル監督の、1952年のメキシコ時代の作品「愛なき女(Una mujer sin amor)」。Amazonプライムにて。

冷え切っていた資産家夫婦とその2人の息子の物語。
昔、妻が、ある男と恋に落ちて不倫の関係になるが、結局、別れることになる。年月が経ち、2人の息子は成人する。
ある日、次男に突如、莫大な遺産が贈られる。
贈り主は、昔、妻と恋に落ちて国を離れた男だった。
男は病気で死んで息子に遺産を残したのだ。
実は、次男は妻と男との間に産まれた子であった。
長男と次男はお金を巡って争うことに…。

妻は、親の言いなりに資産家であった夫と結婚するが、歳が離れており、夫は妻のことを理解しない。そこにある男が現れる訳だが、妻も男も激しく惹かれ合う。

日本では成瀬巳喜男あたりが映画にしそうな材料であり、昔は珍しいことでもなかっただろう。

夫は次男の結婚式の日に急死するが、次男の相手は長男の昔の恋人であるばかりか、次男ばかりが大金を手にして面白くない。

長男はやがて、母が隠していた写真から、母の昔の不倫を知り、次男の出生に疑問を持つようになる。

長男は、次男と口論、2人とも殺し合いへとなりそうだったが、母が正直に過去を明らかにして、息子たちは、母の真実の愛を理解する。

ブニュエルらしくない正統なメロドラマではあるが、愛は障害が多ければ燃え上がる、さらに思い出は美しく残る、ということだな。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。