【映画】「男はつらいよ50 お帰り寅さん」

「男はつらいよ50 お帰り寅さん」(山田洋次監督)。昨年公開のシリーズ50周年記念作品で通算50作目。

BSで全作を観たので、一応(笑)。

シリーズは、渥美清の死去により48作で終わってるが、予定では49か50作で、満男と泉の結婚式で終わりだったと読んだけどね。

オープニングが桑田佳祐が唄う主題歌で、違和感あってちょっと麺食らったけど、うーむ。この映画は「男はつらいよ」の同窓会だなぁ。

現在の、諏訪満男と及川泉(イズミ・ブルーナ)のドラマに、寅さんの過去の思い出のシーンが導入されるか、CGで寅さんが幽霊のように立ってたりするけど、その肝心の寅さんは、旅に出てるとも、すでに死んだとも、ハッキリとせずに、ただ、“叔父さんがいたら…”と語られるだけ。おいちゃんも、おばちゃんもそうだから、多分、もう鬼籍に入ってるだろうけどさ。

満男もイズミも老けたなぁ。なんかステキに歳を重ねたって感じじゃないな。

小説家になった満男は著者サイン会で帰国中のイズミと再会、そして、イズミが帰国中の3日間に、さらに懐かしい人たちと再会し、寅さんのことを思い返す…といったストーリー。

2人は燃え上がって不倫へ走る…はなかったな。満男はイズミに気を使って妻が6年前に病気で死んだことは内緒にしてたけど、最後、イズミが飛び立つ空港で話し、2人は「前から好きだった。会いたかった」と抱き合って熱いキスを交わすくらいで。

お互いにいくら愛し合っていても、様々な要因で実ることのない関係って、確かにあるんだよなぁ。後悔しても遅いけど、いくら歳を重ねようが、2人の関係は以前のままで止まってるんだよ。もし、新たなスタートを切ったとしても、決して上手くはいかないものだ。思い出を美しいままに残しておきたいなら、そのままにしておくべきだろう。

「人生の大事な局面にぶつかると急に怖くなって、決定を先延ばしにする。つまり自分から逃げ出してしまう。それが叔父さんの駄目なところなんだよ」
「そうね。駄目な人ね。だけど、私は、その駄目なところが好きなのよね。困ったことに」
ーーーーこれが肝だな。

もう一つ。
「叔父さん、人間は何のために生きてんのかな?」
「うーん、なんていうかなぁ、ほら、ああ…生まれてきて良かったなぁと思うことがなんべんかあるじゃない、そのために人間生きてんじゃねえのか」

久々に帰って来たかと思うと、散々自分のペースで家の中をかき回し、あたりかまわず女に惚れてジコチュウで皆に迷惑をかけ、全く空気を読めず、ヘーキでパワハラまがいのことをして、ただで飲み食いして、いずらくなったらまたフイッと家を出て行く…一体なんなんだ、この男は?!…も懐かしいね。ww

昭和は遠くなりにけり、じゃなく、昭和はすでに完全に終わったのだ、だね。

そりゃ、昭和育ちの片麻痺オヤジは懐かしくて“きゅんきゅん”だけどさ。懐古趣味は嫌だ嫌だ…。ww

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。