【映画】「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」
「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(Hedwig and the Angry Inch)」(2001・米、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督)。
性転換(LGBT?)グラムロックシンガー、ヘドウィグの波乱の半生を描いたミュージカルだな。
始まりから、妖しいどぎついメイクのドラッグクイーンみたいなヘドウィグが唄うギラギラしたグラムロックのビートが響き、ワクワク興奮する。ヘドウィグは監督自ら演じてるんだ。この人はLGBTなのかな?
ドサ回りのロッカー、ヘドウィグは、東独で生まれ、幼少期に母親から名前とパスポートを貰い、性別適合手術を受けることになったが失敗して、アソコが1インチ(アングリー・インチ)だけ残ってしまった。
ヘドウィグはバンドを結成してバーやレストラン、小さなライブハウスで唄うが、ある日、ロックスターに憧れる17歳の少年トミーと出会う。
ヘドウィグは彼を愛してロックを教えるが、抱き合った時に“アングリー・インチ”がバレてしまい、トミーが嫌がり別れることに。
しかし、トミーはヘドウィグが彼のために作った曲を自分のものとしてヒットを飛ばし、大人気のロックスターとなる。
一方、ヘドウィグは自分のバンド、アングリー・インチを結成、トミーの全米コンサートを追いかけながら各地でライブを行う…。
失敗だらけで真実の愛に恵まれない可哀想なヘドウィグ。女になりきれなかった男の悲劇。でも、そんな悲劇を微塵も感じさせない派手なグラムロック、逆に、裏にそういう暗いストーリーがあるからこそ、ステージ上のヘドウィグは輝いてるのかもしれない。ヘドウィグの唄は魂の叫びだ。
80年代のボウイやボーイ・ジョージ、ポール・ハンプシャー、デビ・シル…等を思い出す。化粧をして中性的な装いで飾るロッカーは退廃的な世紀末の異星人だった。人間との凡庸な愛に堕してる場合じゃあないさ。この映画はある意味、ジェンダーをテーマにしたものだ。
昔、人には性が3つあった。男と男が背中合わせ、その名は“太陽の子“。似た形の”地球の子“は女と女が背中合わせ。そして、”月の子“はフォーク・スプーン。太陽と地球、娘と息子の中間。…それが愛の起源。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。