【映画】「サテリコン」

「チュ」じゃなく「テ」なんだな。

フェデリコ・フェリーニ監督の「サテリコン(Fellini Satyricon)」(1969、伊・仏合作)。

古代ローマ帝国・ペトロニウスが書いた文学の映画化なのだが、イヤ〜、フェリーニ監督らしいというか、徹底的に“退廃”を描いた芸術至上主義フィルムというべきか。

同性愛の青年学生エンコルピオの経験を通して、古代ローマの退廃を描いたものだけど、美醜両方の濃ゆ〜いキャラ連中が演じる、男色、エロス、セックス、両性具有、カンニバリズム、酒池肉林の宴、殺人…これぞ不道徳といった要素をはちゃめちゃにぶち込んだ感じだ。

建物がえらいチープだったり、日本だったら、寺山修司の「田園に死す」を思い出した。

一方で、主人公の青年が愛する恋人の美少年のなんと美しいことよ。吸い込まれるような眼で見つめられるとエンコルピオじゃなくてもドキドキするくらいだ。

観るのが苦痛になるくらいの退廃の果てに見出した映像美がフェリーニ監督の表現したかったことなのか?それともフェリーニ監督ならではの悪ふざけか?

理解し難い。

欲のままに自堕落に生きるのも、欲を禁じてストイックに生きるのも、根は一緒だ。要は根源的な部分で欲に忠実に生きてることになるからだ。あらゆる縛りがない解放区、つまりアナーキーな空間では、最初に起こるのが他者への懐疑と怒りで究極は殺人だろう。その矛盾と一緒で、社会は欲を禁じるが、欲は人間を構成する基本的なもの。欲の発散の末には退廃が顔を出すけど、それは人間の崇高な美とも成り得るものだ。←ナンノコッチャ

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。