【邦画】「人間の証明」

ママァ、デューユーリメンバァ〜♪(by ジョー山中)…、「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうねぇ」…。

図書館で角川映画「人間の証明」(1977年)を観た。監督は、クソ映画「ゴルゴ13」の佐藤純彌だった。

子供の頃、マネしてたけど、映画は通して観たことがなかったのだ。

原作は森村誠一の長編小説。名作だった「犬神家の一族」に続く“角川春樹商法”第二弾だけど、お手軽に作ったテレビドラマみたいで、ワザと複雑に作った人間関係など、クソつまんなかったね。アメリカ・ロケもしたのにね。

主演級の松田優作が、笑うことなく常に眉をしかめた不機嫌な表情と、暴力的で横柄な態度に終始。彼は、名優と言われることもあるが、俺にとっては、角川の過剰に“男”を出す演技は、ただイタくて薄っぺら、滑稽なだけで、演技が上手いなんて決して思えない。

犯人役の岡田茉莉子も、同じく大袈裟で滑稽なだけで、角川春樹の好みなんだろうけど、素晴らしい女優さんだけにかわいそうだと思う。彼女のクズな息子が岩城滉一だったんだね。

確かに昭和の名優は、一瞬だけでも、実にたくさん出てる。角川も森村も深作もチョイ役で出てる。当時の角川の力だね。つまりハリボテ映画だ。

映画の演出の要となる西條八十(サイジョウヤソ)の詩だけはイイね。読みたくなった。

結局、理不尽な理由で生まれたり、社会に疎外されたり、差別を受けた人間が、必死に命をかけてでも、自分の存在を認めてもらおうとするが、憎悪の連鎖の前に命を落とす、という物語だ。テーマは面白いのにさ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。