【古典邦画】「鞍馬天狗 前後篇/恐怖時代」

鞍馬天狗のオジサンって、大昔の時代劇ヒーロー?名前は知ってたけど。

江戸末期の権力者である徳川家と、それに反目する地方の大名、尊皇派の武士たちの争いの時代に現れて、幕府が組織した新撰組と戦う、子供達にも人気の、謎のヒーローが鞍馬天狗なのだね。

1928(昭和3)年の、山口哲平監督の、嵐寛寿郎が演じる初期の鞍馬天狗だ。「鞍馬天狗 前後篇」と「同 恐怖時代」。原作は大佛次郎。図書館のDVD。

ただの勧善懲悪ぢゃないね。明治維新を前に、革命運動が華やかなりし頃、維新側に身を置くものの、あくまで清廉潔白、誠実で、正義感が強くて、女性にストイックな、強いばかりぢゃなく情けを知る、庶民や子供達の味方であった鞍馬天狗であり、騙されたり、欺かれたり、捕まったり、カッコ悪かったり、多分にコメディの要素もあり、より人間的に描かれている。

杉作少年も猿のようでカワイイ。メイクが歌舞伎みたい。

襲って来る大人数を、チョコマカ動いて、一人一人斬っていく、スピード感溢れるチャンバラ劇はけっこう見ものだ。

コレもイキの良い“活弁”が良く合うね。

鞍馬天狗シリーズのほとんどが、戦災などで消失した中、このフィルムは残ったらしい。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。