【古典映画】「續姿三四郎」

黒澤明監督の、1945(昭和20)年の「續姿三四郎」。

終戦直前の制作。デビュー作「姿三四郎」の続篇。

前作のラストで倒した他流派の男の弟が、復讐に訪れ、極寒の雪山で三四郎と死闘を繰り広げる話。

弟は、空手の使いとあるが、キョエエエ!ヒョエエエ!と珍妙な叫び声ばかりを上げて、空手らしいことをしないし、何よりも怪しい長髪で眉が一本と繋がってて、笑っちゃうくらい顔が変だし、末の連れの弟が“気狂い”で訳のわからん行動をする。

公開当時はマジメだったかもしれんが、コレはギャグだよ。

で、雪山の死闘で敗れた弟らは、三四郎に優しく看病されて改心するのだ。

クロサワさんのことだから、極寒のホンモノの雪山で撮影を強行したんだろうなぁ。演者は裸足だし。なぜわざわざ雪山で?というのはなしよ。クロサワさんは、大自然の中で人間を描くのも好きなのだ。

前作のように、三四郎の強さにこだわる姿勢よりも、優しさや笑顔など人柄をアピールした感じだ。

戦時中だけど、ボクシングをやるアメリカ人(アメリカ人じゃない?)が出てて、他流試合で柔道がボクシングにコテンパンに負けるシーンもある。

さすがにクロサワさん自身も失敗作といってたらしい。

フィルムが古くてノイズが多いが、怪しげなB級感が漂ってる。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。