【洋画】「アリス・スウィート・アリス」

1976年の、アメリカの、サイコパスが活躍するスラッシャー映画「アリス・スウィート・アリス(Alice, Sweet Alice)」(アルフレッド・ソール監督)。Amazonプライムにて。

噂の、スラッシャー映画の代表作といわれる“B級カルト映画”をやっと観たのだ。

美人女優ブルック・シールズのデビュー作でもある。

色褪せたようなカラーで描く狂気が、いかにも70年代らしく思えてワクワクするね。

美少女ブルック・シールズは、主人公の妹役で、冒頭10分で殺されてしまうが、主人公である12歳の少女アリスは、母親にも、教会の神父にも可愛がられているように見えた妹のカレンに激しく嫉妬して、彼女の物を盗んだり隠したりしてイジワルをする。

そんな時、教会のミサの最中、裏で妹カレンが惨殺されてしまう。

警察は、教会にいなかったアリスを疑って調査、嘘発見器にかけて、精神病院でカウンセリングを受けさせる。

俺も最初は、妹に嫉妬した、サイコパスであるアリスの犯行だろうと思った。その後の殺人や、彼女の、マンションの大家さんや叔母、マンションの住人である超デブ男とのやり取りの中でのサイコ的言動でもそう思った。

しかし、アリスと同じ、黄色いレインコートを着て、仮面を被ってたのは、娘を亡くした教会で働く老齢の女性トレドーニ夫人であった…。

近距離でのアップが多くて、ブルック・シールズ以外は歳相応の醜さが伝わって来る。

教会という神へ祈りを捧げる場所で、激しい嫉妬という情念が殺人を犯すまでに発展するから、やはり行き過ぎた信仰とサイコパス的狂気は同じであるということを表しているように思える。信仰によって狂気を育んだのかもしれない。

両親だけは違うと信じていたが、次々と起こる殺人に対し、アリスに疑いの目が向けられ、観る者もそのように誘導されるが、実は、教会に関係するサイコパス・オバさんが犯人であったという意外な流れだけど、いかんせん低予算のB級だから、オイオイとツッコミどころも多々。

でも、その未完成さといいしれぬ不気味さが70年代カルトっぽくてイイし、ブルック・シールズの清楚な美しさが観れただけでも良しとしたい。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。