「波止場」

1954年のアカデミー賞8部門を受賞した古典名作「波止場(On the Waterfront)」(54年・米、エリア・カザン監督)を観た。

若きマーロン・ブランドが主演。眉毛の切り込み(傷?)がカッコよくて、後の「ゴッドファーザー」のドン・コルレオーネの若い頃とも言えたりして(笑)。

若い沖仲仕(港湾労働者)のテリーが、仕事を牛耳るマフィアのボスに独り立ち向かう姿を描く。

テリーはボクサーだったが、八百長試合に加担したことで引退、今はNYの港で荷役をする日雇い労働者。
マフィアのボスに可愛がられていたことから、ボスに歯向かってた古い友人をビルから突き落とす殺人に知らずに関与してしまう。
波止場を牛耳るボスが自分を脅かす存在を次々と殺していくことに仕事仲間も怯え、テリーも何も言えずにいた。
そんな時、テリーは死んだ古い友人の妹イディと教会の神父に会う。兄の死の真実を追求する彼女らにテリーは心動かされ、次第に、信念に基づいて生きることに目覚めていく。
そして、テリーは公聴会で証言台に立ち、マフィアのボスの犯罪を暴露する。
その後、マフィアの妨害工作に会い、裏切り者のレッテルを張られたテリーは仕事もなく、仲間だった労働者たちも近寄って来なくなる。
テリーはアジトに行き、ボスを激しく罵倒し、素手で殴り合いとなる。手下の介入でテリーはボコボコにされ瀕死の重傷を負うが、テリーの熱意に心動かされた労働者たちは、ボスに歯向かって、テリーとともに仕事場へ向かう…。

いつの時代も、大衆は、例え大多数であっても少数の権力者に歯向かうことなく、最後の最後まで弱者を攻撃するものなんだなぁ。独りテリーがボスらにボコボコにされても、周りを囲んで傍観者となって見ているし。

テリーは兄に銃を持って行けと言われても、自分なりの考えで武器を持たずに素手でマフィアに向かって行く。そのきっかけは惚れた女に言われたからなのだが、男にとって大好きな女の一言は命よりも大切なものらしい。昭和育ちのジジイにはよくわかる。

テリーとイディの何気ない会話から酒場でのやり取り、2人でダンスを踊るところなんか絶対にイイ!またイディが美人でもない地味な顔だけど、テリーと会ってる時は輝いてて微笑ましい。テリーの自然に出てくる粋な台詞もイイ!さすが後の“ゴッドファーザー”だね。

でもさ…いくら好きな女と神父に言われても、わかるけどできないってこともあるよねー。さらに神父の清廉潔白過ぎるキャラが胡散臭く感じてしまうし。

昔のモノクロ映画だけど、さすがアカデミー賞各部門受賞の名作だけはあるな。

朝、仕事を得たい労働者に割り符を配ってマフィアがピンハネするところなんか、東京の“山谷争議団”とドキュメンタリー映画を思い出したよ(笑)。アメリカも変わらねえなぁ。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。