「刑務官が明かす死刑の話」
「あんなに悪いヤツはさっさと殺しちまえ!」という単純な話ではない。
日本では、一般的に、2人以上殺害すれば、死刑と言われている。
死刑囚になった人間は、“聖人”のようになるとも言われているが、殺人を犯したからこそ、命の重みや人が救いを求める宗教的概念を理解するようになるってのはわかる気がする。
死刑囚も、執行者も、なるべく精神的ストレスを軽減できるように、細々とした決まりや手続き、仕事が行われていることがわかる。
執行者側の、武道の有段者でもある屈強な警備隊が、一番恐れるものが、刑場で目撃される幽霊というから、死刑というのは、それだけ精神的にストレスがかかるものなのだ。
死刑囚を収監する拘置所の係官には、PTSDやアル中になってしまう者も少なくないという。精神的なケアはたった数万円の手当だけだし。
死刑囚も、確定から執行まで、早くて数年から数十年、いつ死刑になるかわからない恐怖に苦しむことになるが、拘禁症やガンザー症候群、擬死反射をはじめ、様々な精神的・身体的不調を経験することになる。
ほとんどの大衆が、こうした死刑の執行の流れなどを全く知らずに、感情的に、ただ「殺せ、殺せ」と叫んでるだけであろう。
①近代刑法は教育刑である、②死刑の存続と凶悪犯罪の発生率に関連はない、③被害者側が関与できない…の理由で、俺は死刑反対の立場である。森達也さんのようなヒューマニズム的な見地からではない。
例えば、オウム真理教の幹部連中は早くに死刑執行となったが、それは、あからさまに国家に反逆したからであろう。つまり、死刑は、究極の場合、被害者側とは関係なしに、国が命を握ってるんだぞ、という国家の意思表示に違いないと思う。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。