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「チャーリー・セズ」

「チャーリー・セズ/マンソンの女たち(Charlie Says)」(2018、メアリー・ハロン監督)。

昔、興奮して読んだエド・サンダースの名著「ファミリー/シャロン・テート殺人事件」が原作とあれば観ないわけにはいかない。

1969年8月9日、ロマン・ポランスキー監督の妻であり女優のシャロン・テートがハリウッドの自宅で友人らとともに惨殺された。それを指示したのはチャールズ・マンソンだけど、その実行犯であったレスリー、パトリシア、スーザンの3人のマンソン・ガールズが刑務所で、マンソンと出会ってから、事件を起こすまでを告白調で描いたもの。実際の事件が衝撃的であるだけに、それを超えるには至らなかったようだ。

チャールズ・マンソンは2017年に獄中で死んだけど(83歳)、60年末から70年代初めにヒッピー・コミューン“ファミリー”を率いて集団生活をしてた。シャロン・テート殺人事件が起こる前も、人生の大半を刑務所で過ごしてたような根っからの犯罪者だ。ビーチボーイズのメンバーとも交友があって、自らも曲を作り(アルバムを持ってる)、ビートルズのアルバムを勝手に解釈して事件を指示するなど、当時のカウンター及びサブ・カルチャーのカルト、狂気、暴力、悪を象徴するアイコンとして、様々な表現に用いられてきたのだ。

ファミリーのほとんどは20代の女の子だったが、マンソンの方から強烈に洗脳していったというよりも、マンソンの魅力に惹かれるうちに自らを洗脳していったように思う。初めはマンソンは全てを優しく受け入れてる。ただ全ての女性メンバーと関係を持っていただけだ(それも決して無理矢理じゃない)。それがマンソンにいろいろと欲が出てくれば威圧的な態度になってくる。

マンソンなんて160にも満たない小男だったけど、アソコはデカくて一日中いろんな女の子とヤレるくらい性欲は異常に強かったらしい。ある意味、プリミティブで動物的な人間力がトンデモなく高かったのだろうなぁ。だから、あれだけたくさんの若い女の子が寄ってきたわけだ。

映画では、タイトル通り、全てを「チャーリーが言うには…」と話してたマンソン・ガールズの3人にカウンセラーが勉強を教えて討論するという形で、徐々にマインドコントロールを解いていく。

これは決して違う世界の出来事ではないと思う。日本でもいっぱい事件は起こってる。こんなに極端ではないにしろ、我々はネットを始め、様々なメディアによって常に情報を刷り込まれている。もし不安と恐怖がピークに達すれば、容易に殺人にも手を染めるだろう。悪気もなく。

映画自体はつまらなかったし、もう、洗脳、マインドコントロールって、わかりきっててウンザリだけど、元々、マンソンに興味のあった俺には確認する上でちょっと興味深いものがあった。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。