「ナイトビジター」

TSUTAYA発掘良品にあった不気味な映画「ナイトビジター (THE NIGHT VISITOR)」(70・英、ラズロ・ベネディク監督)。

メッチャ寒い吹雪の中を肌着とパンツ一枚、でも脚にはしっかりとしたブーツを履いて走り回る大柄の男、そして、彼は、とある煉瓦造りの家に2階の小窓から侵入する…。冒頭から、なんなんだ?と引き込まれる。

その大男が絶対に感情を表さない鉄面皮で、寡黙で淡々とやることをこなすような感じなので、ちょっと怖いけど、つまり、夜中に城のような医療刑務所を脱走して、自分を貶めた連中に復讐すると、また塀の中に戻ってるのだった。

密かに造った鍵で独房のドアを開けると、服や布団を縛ってロープ状にして、振り子運動で木から地面に降りて、高い塀を超えているのだが、その脱獄方法が当然、時間との闘いの中で、高度な知恵と体力が必要で、まるで網走刑務所を抜けた“昭和の脱獄王”白鳥由栄みたいだ。

大男セイラムは、2年前の地主殺人で医療刑務所に入れられたのだが、実は無実で殺人に手を染めたのは地主に密会現場を見られた妹夫婦だった。セイラムは、彼らを策にはめて警察に逮捕させる完全犯罪を目論む。

全編、台詞も少なくて、グロなシーンもないけど、無駄のない異様な緊迫感が続く。それを肌着とパンツ一枚で外を走ってるという観てるコッチまで震えるような極寒の雰囲気が後押ししている。ホントに寒くて痛い作品だ。

警察は上手くセイラムの術中にハマるが、警部だけは「話が単純過ぎる」と疑う。

実は妹夫婦が殺人を行った時に、側に飼ってたオウムがいて、妹夫婦の叫びを覚えてた。そのオウムがラストでセイラムの策略を解く鍵になるのだ。悪いことはできないねぇ(笑)。

セイラムの不気味さが際立つ脱獄サスペンスだった。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。