【映画】「IT」
スティーブン・キングのホラー小説が原作の「IT(イット)」(1990・米、トミー・リー・ウォーレス監督)。
知られたホラー映画でやっと観たけど、前半と後半に分けて180分以上は長過ぎるんじゃねえか。恐怖はそんなに続かないもんだ。ホラーだったら、コンパクトにまとめてせいぜい80〜90分だね。
もともとスティーブン・キング原作によるTVムーヴィーで、アメリカの田舎街で子供が何者かに殺される事件が起こる。
その何者かがIT(それ)と呼ばれる奇怪なピエロ、ペニーワイズで、“それ”が見えてしまった7人の子供たちが力を合わせて“それ”と戦う前半と、“それ”がまた、27年ぶりに現代に現れて、大人になった7人が再会、また戦いに挑むというストーリー。
ピエロで真っ先にジョン・ウェイン・ゲイシーを思ったけど、ITこと、ペニーワイズを材料に、同じくキング原作の「スタンド・バイ・ミー」みたいな展開はまだいい。
学校でも浮いてて不良たちにイジメられるような6人の少年と1人の少女がチームを作ってITの存在を暴き、退治する友情物語みたいだし。
後半はオッサン、オバサンになったかつての仲間が呼びかけによってまた集うけど、突飛なモンスターを出現させたり、強引な展開にかなり無理があり白けちまうよ。
ペニーワイズは大人たちには見えない。見えるのは夢を持った純粋な少年少女であり、彼らが怖いと思うものに変身する。なんかこの辺にめっちゃ臭いテーマが潜んでそうだが、それならそれで、そういう展開にすればよかったのに。
結局、ITもペニーワイズもモンスターも正体は明かされずで、不満ばかりが残ってしまうね。
今、俺が哲学的命題で怖いと思うのは…
自分が明日、突然、事故でも事件でも死んだ、いなくなったとしても、世界は全く何の変わりもなく続いてるってこと。
俺の知ってる周りだけは衝撃を受けても日が経つと忘れ去られて、また徐々に日常と習慣が戻ってくるということ。
遠く離れたところでは何の関係もないということ。
だから世界は自分の生死に全く無関心・無関係であるということ。
しかも、今、その果てもハッキリとわからないような不確定な世界に自分が存在しているということ。
引いては、自分の認識でさえ真理かどうかもわからない、自分も本物かどうかもわからないということ。
そして、今こうやって考えてる俺も死で全て無になってしまうということ。
ーー映画と関係ないけど、コレだ!
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。