【古典邦画】「宮本武蔵」

稲垣浩監督の、1954(昭和29)年の作品「宮本武蔵」。武蔵(タケゾウ)を演じたのは三船敏郎。人気の吉川英治の長編小説の、戦後初の映画化。3部作の第1作目。

中坊の頃、「空手バカ一代」、大山カラテに心酔してた時期、吉川英治の小説全巻を買ってもらって読んだことがある。

三船さん演じる武蔵が、まだ剣の修行に入る前の、ある意味、誤解から“悪蔵”と呼ばれるくらいに乱暴者だった時期を描く。

同じ宮本村出身で、“関ヶ原の戦い”にも参加した友人・又八を演じたのは三國連太郎。

又八の許嫁だったが、武蔵に想いを寄せる“お通”を演じたのは八千草薫で、顔が小ちゃくて、めっちゃカワイイ。

武蔵と又八が転がり込んだ家の、野武士の未亡人のお甲が水戸光子、娘の朱実が岡田茉莉子だ。

武蔵は結局、密告によって追われる身となるが、寺の沢庵和尚(二代目尾上九朗右衛門)により諭されて、おとなしく捕らわれて村に戻る。武蔵を一流の武人として鍛え上げることを目論む沢庵和尚は、まず寺の大木に武蔵を吊るして何日も放置する…。

押しの強さで全てを乗り切る、武蔵のような役柄には、まさに三船さんがピッタリだね。

まだまだ若くて未熟だった武蔵が、侍になることを夢見て、沢庵和尚の導きによって、武者修行の旅に出るまで。佐々木小次郎はまだ現れない。

ラストの、城から出て、お通とせっかく会えたのに、一緒に行きたいという彼女を残して、独り旅立つのは、お通が可哀想だ。

稲垣監督は、これ以降も宮本武蔵の映画をたくさん作っているから、ホントに好きなのだろうな。

この作品は、アカデミー賞・名誉賞を受賞してるけど、そんなに面白い映画とは思えないけどなぁ。よくあるように描かれた武士の世界が評価されたのだろうか?


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。