「暗くなるまで待って」

オードリー・ヘップバーン主演のサスペンス「暗くなるまで待って(Wait Until Dark)」(68年・米)。監督は、初期007のテレンス・ヤング。

事故で盲目となってしまったオードリー演じる中年女性が、人形に仕込んで隠したドラッグを運ぶ犯罪グループのトラブルに巻き込まれてしまうというストーリーだが、オードリーが全盲の女性を熱演し過ぎて、ちょっとイタい(笑)。

全盲でも音や気配、触覚などで、自分に仕掛けられた罠を理解するところは感心するが、あらぬ方向を見てても大きな瞳を潤ませて、たいそう大袈裟な身振りで、部屋の中をまるで舞台のように動き回るオードリーを見てると、「ローマの休日」でカワイイ王女を演じた彼女も歳を重ねて円熟期を迎えたが、今一つ、実ってないなぁと感じてしまう。

監督の演出だろうけど、オードリーもそれに応えようと頑張り過ぎて空回りしたのかしらん。

最後に命辛々助かって泣いてるオードリーを、夫がすぐに抱き寄せることなく、「よく頑張ったね、ここまで歩いておいで…」なんて言って歩かせるなんてそりゃねえだろう。そんな演出までも気になってしまう。

まあ、後半の、暗闇での犯人との攻防は面白かったけど。盲目のオードリーが、犯人にも自分を見せないために部屋の明かりを全部壊して。盲目と暗闇を上手く組み合わせたのだ。

オードリー独りに混んだ罠をかけ過ぎでクドイの感もあるけど、この物語は戯曲の方がメインだったのだね。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。