「“憂国”事件の男たち」

図書館で見つけて、あっ、これは読まなきゃ、と借りた。やっぱり好きなんだなぁ、こういうの(笑)。

昭和と平成の、様々な右翼のテロ(いわゆる「肉体言語」)の真相について書いた本だが、俺が興味あるのは、三島事件や東アジア反日武装戦線のように「美学となりうるか」のただ一点だけである。もちろん思想なんか全く共感などしないし、テロの効果も、さらに警備が強化されるか、名を売りたい跳ね上がりの後人を生むくらいで、ほとんどないのはわかってる。ただ個人的なレベルで、生きる指標になり、思想する材料になり、と効果はあると思うけど。

ほとんどが、言動行動が許されない、義理を欠いた、利益を損ねた、誇りを傷つけられた等の、感情的で現実的なことがテロを行使する理由で、俺が興味ある、強烈なナルシズムと時代を超えた激しいロマンを全く感じない。

多分、軍歌を流す黒い宣伝カーに乗って、戦闘服を着て我が物顔で闊歩し、大衆に怖がれるという示威行動に快感を感じているだけなんだろう。ゾクのクソヤンキーと一緒だ。

唯一、ここにある中では、野村秋介氏の朝日新聞社での自裁くらいだ。野村氏の行動でもわかるように、朝日新聞は決して反日などではなく、極日本的なメディアだと思う。戦前はバリバリの愛国新聞として、戦後は「平和と民主主義」というイデオロギーに忠実に則して。野村氏はそういう朝日新聞が象徴するような日本の戦後の欺瞞と戦って相討ちしたかったんだと思う。

しかし、日本社会のアウトローであり、脅しや暴力、詐欺、麻薬、賭博など犯罪的なことを生業としてるヤクザ連中が、「正す」「糾す」「物申す 」「天誅」とか、国を守るとか……何を言ってるのか?どう頭をひねっても、理解できない。

ふと思ったんだけど、ヤクザ系の左翼、任侠系左翼ってのはいないのか?(爆)

「俺に是非を説くな。激しき雪が好き」
「今、君に牙はあるか」by野村秋介

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。