【古典洋画】「ロープ」

アルフレッド・ヒッチコック監督の映画は余り得意ぢゃないのだが、1948年の、初のカラー作品「ロープ(Rope)」(アメリカ)。Amazonプライムにて。

この題材は、ドストエフスキーの小説や他の映画にもあったぞ。

リッチで頭の良いイケてる大学生のブランドンとフィリップの2人が、完全犯罪として友人を殺すことで、社会における自分たちの優位性を立証しようとするが、結局、出版社を経営する恩師に推理・論破されて、警察に捕まってしまう話だ。

1カットのみの、アパートの部屋だけで完結する話で、2人はロープを使って殺人を犯し、遺体をテーブルの下に隠した部屋に、殺害した友人の親や恩師、友人の婚約者など、人を読んでディナー・パーティーを開くが、恩師がフィリップの挙動不審な態度に疑問を持って、殺人を解いていくというヒッチコックお得意のサスペンス映画だ。

よく例に出されるニーチェの超人思想(間違った解釈だと思うけど)を是認する態度で、社会には生きる価値のない人間が存在することを主張して、殺人を肯定するのだが、人間の優位性、劣性は、それを主張する人間の極主観的なものであって、客観的な証明なんてできっこないのである。

セリフがカギを握る映画だと思うけど、登場人物が、それぞれの立場で話す言葉が、芝居がかった大袈裟なものでもあって、ヒッチコックの心理劇としては楽しめた。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。