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マーケティングの仕事とは

私たちの仕事の価値は「提案」です。
「提案」を「納得」してもらわなければ意味がありません。
「納得」してもらうには「根拠」が必要です。
「根拠」には嘘をつかない「数字」が絶対です。
「数字」は色々な「角度」で見なければなりません。
「角度」によって複数の「仮説」が見えてきます。
「仮説」をもとに最低3つの「提案」を考えよう
「提案」は「どうしましょう?」ではなく「どれがいいですか?」です。

上に書いたのは前任が残してくれた言葉です。

企画業務を長年行ってきた自分にとって自分の仕事の価値を証明するのは、
●担当する方面の売り上げ・出国者・利益
●パンフレットをはじめとしたツアー商品など目に見える成果物
これらが、自分の評価となっていました。
(勿論、商品はただ出しただけじゃだめだけど。

その分、マーケティングの仕事の評価って形が見えづらく難しいな、
と言うのが、マーケティング業務が数ある自分の職務の1つとなり、
率直に感じた自分のイメージです。

そもそもマーケティングの仕事って・・・

大学時代は商学部で、マーケティング論という講義を受けていましたが、
当時はあまり実用的とは思えませんでした。
(今にして思えば、先見の明がなかったかと・・・)

某旅行会社に入社後も、会社の組織に「マーケティング課」という部署がありましたが、これは格安航空券の値付けが他の旅行会社に負けない(価格が他社よりも高くなる)様に調査を入れて、価格調整を主な業務としていました。

そして、他社の価格調査の1つとして、
カウンターセールスのスタッフに「出発時期」「目的地」「利用航空会社」を指定した表が配られ、これを店舗近隣の旅行会社にお客様のフリをして、
いくらの価格で販売しているのかを確認するという事も行っていました。
そして、この仕事を「マーケティング」と呼んでいました。

マーケティングの仕事=他社の価格調査

と把握していました。

後にパッケージツアー企画業務に携わる事になった時も、
「他社マーケ」として、常に競合となる旅行会社の価格把握を業務の1つとして行っていましたし、負けていた場合はそれをどう是正するかを考える事も頻繁に行っていました。

今、このマーケティングと呼ばれた仕事を振り返ってみると、
当時は格安航空券や格安パッケージツアーが主流の時代で、
価格面で勝っていれば、売り上げも集客も利益も付いてきた時代だったのです。

座席が確保できて、良い仕入れができて、他社に勝る料金で商品が出せれば成長する時代だったのです。

なので、マーケティングという言葉を間違って使っていなかったと思いますが、正しく使っていたとも言えませんでした。

しかし・・・時代は急速に変化し、

●お客様様の海外旅行への価値観が多様になった。(ネットでお客様自身が情報収集できる様になった)
●航空会社が直販できるようになり、さらに利益コントロールも可能になり、旅行会社に格安航空券を卸さなくなった。(コミッションがほぼ無くなった)
●例えばエクスペディアの様なシステム&マーケティングを強みとしたOTAの台頭

と、やがて、価格以上にお客様(旅行者)が感じる価値が重んじられる時代に突入するのです。

私の会社には、近年になって「マーケティング活動」を行う部署ができましたし、私が異動先もその部署の一部ですが、振り返ってみると、
顧客分析、競合分析、セグメント&ターゲティング設定といった仕事も企画業務としてマーケティングという言葉を使わないまでも、行ってきた業務です。

個人的には企画担当が考える「戦略」「戦術」の上位に、マーケティングを行う部署が考える「戦略」「戦術」があり(これはマーケティングの立場が上という意味ではありません。より様々な要因・状況を俯瞰して考える役割の仕事として、という意味です)、マーケティングが考える戦術は、企画の戦略とならなければならないと考えています。
そして、マーケティングが考える戦術と企画の考える戦略が分断されては決してならないのです。

結論として、
マーケティングの仕事の価値は、自分たちが考えた戦略(提案)を納得してもらえるように、

●「納得」してもらえる様に「根拠」を持つ。
●「根拠」を持つには、絶対的な「数字」を導き出す。
●絶対的な「数字」を導きだすには、様々な「角度」から分析する。
●様々な「角度」から分析する事によって複数の「仮説」が見えてくる。
●「仮説」をもとに複数の「提案」を考える。

と前任者の言葉に繋がっていくのだろうと考えます。

結局、提案に納得をしていただいて、動いてもらえなければ、
自分の仕事に価値は無いのだろうと思います。


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