week9-起業家じゃない私の5mエフェクチュエーション

半径5mからのマイクロチェンジメーカーを目指す、子連れMBAのチェンジメーカー・チャレンジ-Basic-。対話のスキル、時代変化、内省スキルを、知識として学習するのみでなく、メンタリングによって学びを深め、自分自身の価値観に則ったリーダーシップを発揮して周囲へも影響を与えていくための学びの3ヶ月プログラムです。運営として、プロセスエコノミー的に内容を明かしてみようかな(と言っても、私もモニターの一人でもあるので自分の経過がメイン)と、ということで、今回はweek9です。仲間とのメンタリングを行うとともに組織の思考とは少し異なるマインドセットを学んでいきます。

エフェクチュエーションって?

エフェクチュエーションとは、インド人経営学者サラス・サラスバシー氏が提唱した理論で、優れた起業家に共通する意思決定プロセスや思考(考え方)を発見・体系化した市場創造の実行理論で、5つの原則から成り立っています。

・手中の鳥の原則
新しい方法ではなく、既存の手段を用いて何かをつくること
・許容可能な損失の原則
損失が出ても致命的にはならない許容範囲のリスクをあらかじめ設定すること
・クレイジーキルトの原則
形も柄も違う布を縫い合わせて1枚の布をつくるクレイジーキルトに例え、顧客や競合他社、従業員などをパートナーと捉え、一丸となってゴールを目指していくこと
・レモネードの原則
酸っぱくて使い物にならないレモンに工夫を凝らして、甘いレモネードを作る(=価値を持つ製品へと生まれ変わらせる)こと
・飛行機の中のパイロット原則
前出の四つの原則を網羅した原則でもあり、不測の事態に備えて、状況に応じた臨機応変な行動をすること

そして対するのは大企業を中心に取り入れられている目標設定型の逆算的アプローチで、コーゼーションと呼ばれます。

組織のコーゼーションが個人に侵食してない?

大企業の中で何か行おうとすると、明確な目標がなければ、実行の許可が下りないことがほとんどです。それは自然なことで、悪いことでもありません。大規模な投資とリターンを考えるなら、コーゼーションは必須です。

でも一個人を考えてみるとどうでしょうか。上のエフェクチュエーションの5つの原則は、柔軟でなんだか楽しそうな印象を私は受けました。それもそのはず。「起業家」個人の行動特性だからです。しかし大企業で長い期間を過ごしていると、組織の思考形式が個人の意思決定にまで影響することがあります。「これはなんのためにやるのか」「時間の無駄ではないか」逆に「将来のためには今我慢」など。でもweek2であった通り、これから必要とされるのは衝動。「面白い」「やらずにはいられない」そういった起業家にも似た精神です。

いや、必要とされるというより、自らがどちらを選択するかという問題でもあると思います。コーゼーションのまま生きる選択肢もあります。でも、私は、起業家にはならなくともしなやかで柔軟な、エフェクチュエーションの世界も生きたいと思うのです。

組織に逆流させたら?

個人の意思決定なら自然に想像されるエフェクチュエーション。コーゼーションの考え方が組織から個人に侵食しているようなことを書きましたが、逆にエフェクチュエーションの考え方を組織へと流していくことも、もちろん可能です。流そうとすればおそらく抵抗を受けるでしょう。そうして諦めてしまえばチェンジは生まれませんが、小さく小さく半径5mから変えていくチャレンジが今回のチェンジメーカー・チャレンジ。そのキーになるのが対話。組織も人の集まりです。人の心が動けば組織も変わります。

仲間がいれば、できる。

今、時代は大きく変わっています。2年以上続いているwithコロナは、時代の変化を見えやすくしたと感じています。本当はコロナがなくても変わっていたと思いますが、コロナがあったことにより、どんな世代も目を背けることができなくなりました。とはいえ過渡期。前の時代を生き続けようとする選択でも生き残れるとは思います。でも私はエフェクチュエーションの生き方をしたい。やはりそれが楽しそうに思えるから。そしてそれには少し、仲間が必要だということも感じています。2人目の育児休業に入る前、私は少し職場で孤独感を感じていました。仕事での成果はそれなりに出していたと思っています。一緒に仕事する人とも良好な関係を築いていました。でも、仲間とは言えないというのが本音です。コーゼーション的考え方に違和感を感じながら、変わることのないものと諦め、子育ての制約を盾にもしながら距離を置いていたように思います。でも今回プログラムメンバーとオンラインでも深く対話を重ねていくことで、職場のメンバーと仲間になれないと諦めるのは早すぎると感じました。

復職まで後わずか。成功体験を積み重ねて、職場復帰に挑みます。

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