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天人五衰

「天人五衰(てんじんごすい)」というお話を学びました。どんなお話かというと、天人(聖者)が衰退していく5つの道、のお話です。

まずその前に、仏教では世界を十界に分け、聖者の四界と凡夫の六界とに分けて考えます。この凡夫の六界が六道輪廻(ろくどうりんね)です。凡夫はこの六界を迷いながら回り続けています。その六界が何かというと、
天上
修羅
餓鬼
畜生
地獄
人間
 です。
それぞれに意味があります。

天上は、有頂天。要するに慢心。喜びのあまり危機が見えない。「俺がやらなきゃダメだ」とか言う。

修羅は、怒り。ヤキモチ。許せない感情の中で生きている。怒りが心を満たしている。

餓鬼は、自分のことしか考えない。すぐ切れる。自分に不利だと思うとすぐ態度を変える。自分をも食い潰してしまう鬼。

畜生は、知恵がない。ヤキモチによって自分を見失う。愚痴、嫉妬。うらやむ気持ちが畜生。

地獄は、修羅と餓鬼と畜生を併せ持っている。

どうでしょうか。痛くないですかー💦 私も、私の周りの人たちも、みんな唸ってました。

残る1つが、人間。人間が何かというと、怒りや落ち込みはあるけれど、反省心と洞察心を持っているのが人間です。

では、聖者の四界にいきましょう。
声聞
縁覚
菩薩
 です。
これが聖者の四界。この聖者の四界に行くためには、まず「人間」になることが必須条件なんです。昔、「早く人間になりたーい!」というアニメがありましたが、あれ、ホントのことだったんですねー。
では、聖者の四界。

声聞は、自分の決めた事をずっと続けること。ずっと続けると心が静かになる。必ず自分を正すべきものさしがないとダメ。

縁覚は、縁から悟るようになっていく。どこからでも何からでも学べる。悪い人がいなくなる。自分が変わればいい。我以外皆我師。

菩薩は、すべての人に愛を届けられるようになる。マザーテレサのような人。すべて人の為に頭が動いている。そういう人は、ほとんど目立たない。

最後が仏です。

いかがでしょうか。私は聖者の世界にいます!という方もいらっしゃるかもしれません。でもこの回は、その聖者から衰退してしまう兆候を学ぶ回なんです。聖者の世界に達することができても、衰退してしまうことがあるというんですよ。もう、声も出ない感じでした😑

仏教を学ぶのは、悟りを得て「即身成仏」するため。今のこの身このままで悟りを得て仏になること。村山先生のお話は、そのためにどうしたらいいかを、とてもわかりやすく丁寧に説明してくださっています。

えっ!!悟りを開くなんて無理でしょ?!とお考えの方、そんなことはないんですよ。もちろん悟りにも段階がありますから、いきなりお釈迦様と同じレベルに到達できるかといえば、それは難しいと思います。でも出来る人もいるかも。まずは学んでみませんか?

※2019年8月に書いた文章です。


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