9月13日 今日のこと

今日は色々あってお仕事はお休み。普段通り起き、午前中に用事をすませ、すき家で昼食を取り、午後の用事をすませる。帰りにちょっと新古書店により、私には珍しく国内の小説を10冊ほど購入する(普段は海外小説の購入がメインのため)。その後人と通話をし、夕飯を食べて後片付けをする。

もうちょっと届くのが後になるかな、と思っていたジェイムズ・エルロイの新刊、”Widespread Panic”が無事到着する。エルロイを原著で読めるだけの英語力は私にはないので、ファンアイテム的な意味合いが強い。ただ昨今の翻訳小説事情を見ていると、「本当に翻訳されるのかな……?」という思いがある、ということも手伝っている(杞憂かもしれないが)。もし翻訳が出るなら気長に待つけど、本当に翻訳が出なかったときは内容が気になるだろうしね……。まぁ最近出たばかりの新刊なのでそういう心配をするにはまだ早いのだけれど。

ジェイムズ・エルロイといえば、最近二か月くらいかけてゆっくりアンダーワールドUSA三部作を読み返したのだが、『アメリカン・タブロイド』『アメリカン・デス・トリップ』は「巨大陰謀クライムフィクション」といった趣だけど、『アンダーワールドUSA』はそういう匂い自体はその前からあったが、中盤くらいから(というかとある視点人物の退場あたりから)捜査小説・警察捜査小説への回帰が見られるのではないか、という気がした。「回帰」というのはLA四部作的な内容への回帰、ということ。『アメリカン・タブロイド』はJFK暗殺まで、『アメリカン・デス・トリップ』はRFKとM.L.キング暗殺までを扱っていて、『アンダーワールドUSA』はJ.E.フーヴァーの死は扱うけれど、『アンダー~』は国家的陰謀(フィクションとしての)はあまり扱っていないような。『アンダー~』は、後半ではその前にあれだけ出てきていたマフィアのボスたちもハワード・ヒューズも影が見えなくなるし。捜査小説と陰謀的な物語を手堅くまとめあげた、という印象になるかな。なんだか再読して、新LA四部作の一作目『背信の都』への道筋が見えたような気がするので、『背信の都』もそのうち読み返そう。三部作で私が好きな順番で並べると『アメリカン・デス・トリップ』『アメリカン・タブロイド』『アンダーワールドUSA』なのだけれど、再読後どれも独自の味があって傑作だなと感じた次第。エルロイのLA四部作は有名だし(知っている人には)広く読まれている感じはあるけれど、アンダーワールドUSA三部作となると読んでいる人もそれより少ないように思われ、もっと読まれてもいいはずの作品群なのではないかな、と感じたり。LA四部作同様、多分人によって好きな作品がどれか相当変わってくるはずだから、人の感想を聞きたい、ということもある。

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