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孤独な試作者の夢想

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日々の実践・作ったものなどについて書いていきます。
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2019年4月の記事一覧

手軽なプログラミング学習ツール(2) 「Swift Playgrounds」

Codemonkeyはウェブブラウザーを使ってプログラミングを学ぶことのできるツールですが、 プログラミングを綿密に仕組まれたステップで学ぶことができるため、学びの効率は高い反面、 学習できるプログラミング言語がCoffeeScriptと、現実では利用されていないプログラミング言語を学ぶことになってしまったり、有料だったりと、両刃の剣であることを、以前ご紹介しました。 今回は、みなさんにSwift PlaygroundsというApple社が開発しているプログラミングを学

micro:bitで方位磁石をつくる!

簡単にプログラムを書き、実行することのできるmicro:bit。 方位センサー(磁力センサー)がついているため、あまりにそのままですが、方位磁石を作ります! そういえば、このmicro:bit、イギリスの全小学校で11歳、12歳に配布されました。 イギリスは教育においてかなり試行錯誤のある国で、一時期「全国統一テスト」を導入して学力がガクッと落ちたという話もありました。都留文科大学の学長でいらっしゃる福田誠治先生の「競争しても学力行き止まり イギリスの失敗とフィンランド

micro:bitでサイコロをつくろう!

micro:bitは、プログラミング教育業界ではメジャーといってもいいほど、ツールとして便利で、浸透しているマイコンボードです。 マイコンボードとシングルボードコンピュータ マイコンボードの代表である「arduino」や「micro:bit」とシングルボードコンピュータの代表である「Raspberry Pi」。(左がRaspberry Pi, 右がmicro:bit) こういったmakerをつくる学びの場について話される時よく出てくるツールです。 二つの共通点は簡単に言

Swiftでチーム開発するときに困ったこと

Swiftを使って本格的にiOSのアプリを、小学生たちと一緒に複数人のチームで開発したとき、色々なことに困りました。特に、Githubを使って共同編集をしていると、バージョンの差やお互いのブランチのConflictを解決するのがなかなか難しくもありました。 しかし、それとは別にの問題も引き起こされました。具体的に挙げていくと下の3つでした。 1.main.storyboardが壊れやすい 2.画像が壊れやすい 3.アイコンが入らない Swiftともなると、本格的に開

英語の学びとプログラミングの学びを比較する。

英語もプログラミングも、どちらも「言語」であると私は考えています。なので、それぞれの学びの方法を比較すると、色々なことが見えてくるのではないか、ということでまず両者を比較してみました。 今流行りの習い事2018年度から小学校で必修化された「英語」そして、2020年度から小学校で必修化される「プログラミング」、どちらも小学生を持つ親には関心の高いものでしょう。 これから新しく小学校の学びに加わる、「英語を学ぶ」ことと「プログラミングを学ぶ」ことは、それぞれどのような性質や特

手頃なプログラミング学習用ツール(1) 「Codemonkey」

「プログラミングを学習するハードルは下がっている」こんなことは、たくさんの偉いひとが、たくさん記事に書いています。 例えば無料で誰でも活用することができるものだったり、どのコンピュータでも学ぶことができたり、実際にプログラムを書いてチェックしてくれるものから、映像だけのものまで、種類は様々です。 こうなってくると、段々と選びにくくなってくる問題が発生してしまいますが。。。なんとかして選ぶための判断として頂きたい。ということで、一つ一つをまずレビューしていきたいと思います。

レスポンシブウェブをつくるFontサイズとGrid Layout

このマルチデバイス時代、いろいろなデバイスに対応したウェブサイトを意識したいものです。 そして、以前より0からプログラムを書くことにハマっています。CSSもJSも0から書いてみるとその仕組や言語の特性がわかることがとてもメリットです。 しかし、ある程度の垢抜けたデザインや気の利いた関数など、他の人がつくった関数、フレームワークを使うことには多大なるメリットがあるので、使うときは潔く使うということを考えてゆく必要があるかと思います。 なので、今回はレスポンシブウェブサイト

ふりがなプログラミングと言語としてのプログラミング 『ふりがなプログラミングシリーズ』

「ふりがな」は、学習にどんな効果をもたらすのだろうか。 「スラスラ読める」JavaScript ふりがなプログラミングを読んでみるとそんなことを考えてしまいます。 ふりがなプログラミングシリーズは2019年4月16日時点で、JavaScript、Python、Excel VBA、Unity C#、Ruby(on Rails)と、5種類のプログラミング言語に対して出版されています。 ふりがなは学びにどんな影響があるのだろう。そんなことで、3つの観点からふりがなを考えてみま

協働プログラミングツール「Glitch」はプログラミング教育に革命を起こすか?

今回ご紹介するのは使ってみてその使いやすさに驚きに驚いた、Glitchという、オンラインIDE(統合開発環境、プログラムを書くためのエディタ)です。 Glitchのすごいところ下記の3つのポイントがすごい! 1.1クリックで自分のサイトを公開することができる。 2.同時に複数人で共同編集をすることができる。 3.共同編集の履歴を時系列で見ることができ、バージョンを戻せる。 では、それぞれのすごいポイントを見てゆきましょう。 1.1クリックで自分のサイトを公開するこ

なぜプログラミングを学ぶのか、理解するための良書6選

プログラミング教育を考える上で、これは外せないだろう!という良書を幾つかご紹介します。これを機会に是非お近くの書店でお手に取って頂けたらと思います。 1.『マインドストーム ー子供、コンピューター、そして強力なアイディア』シーモア・パパート著 コンピューターを使った学びをつくっていく上でのバイブル、といったら子どもたちが自ら知識を構築していく「構築主義」を提唱したシーモア・パパート。 冒頭に登場するシーモア・パパートが数学の世界への入り口を開いた「試行錯誤」の原体験として

【実践例】プログラミングで対称な図形を学ぶ

プログラミングで正多角形を学んだ記事をこのまえ共有させいただきました。 今回は、プログラミングで対称な図形を学んだ実践例についてご紹介いたします。実際に東京コミュニティスクールの小学5・6年生と算数の学びの中でプログラミングを使いながら「対称な図形」の単元を学びました。 基本的な学びの方針 今回は「言葉で表現する」ということに最も主眼をおいています。まさにそれこそ、プログラミングの本質です。そして、今回の学びの流れは、「図形を言葉で表現して伝える」ことから始まり、伝える相

ELECFREAKS micro:bit Smart home Kitを活用した学びのプロジェクト

2月に深センでお世話になった渡辺先生がnoteに書かれていた、ELECFREAKS micro:bit Smart home Kit。教えてもらい、そのキットのコンセプトや使いやすさに触れ、即仕入れてしまいました。実際にこれで学びをつくっていくとしたら、どんなプロジェクトが作れるか、考えてみます。 キットの詳細に関しては渡辺先生のnoteを御覧ください。 キットの中身 キットの内容は下記の通り。 写真上段左から、OLEDスクリーン、破壊センサー(スイッチ)、三色LED、

【実践例】遊びながらプログラミングの本質を学ぶ

今回は小学1年生、2年生向けのコンピュータがなくてもできるプログラミングの簡単な導入の学びについてご紹介いたします。実際に小学1年生や2年生で実施したことがあります。 基本的な学びの方針プログラミングにおいて最も本質的な「命令」と「実行」のつながりを「命令を言語化して具現化する」遊びで体感します。プログラミングの導入ワークショップなので、今回はオプションとして、プログラミングの発展としてのコンピュータで学ぶとよいコンテンツをご紹介します。 学びの流れ 0.「プログラ

【実践例】プログラミングで正多角形を学ぶ

今回はプログラミングで正多角形を学んだ実践例についてご紹介いたします。実際に東京コミュニティスクールの小学5・6年生と算数の学びの中でプログラミングを使いながら「正多角形」の単元を学びました。 基本的な学びの方針学びの流れとしては、「個別事例」から「一般法則」を考え、最終的には「アート作品を作り上げる」ところまで行います。帰納的な推論を使ってプログラムに活かす、そんな学びです。 学びの流れ 1.正三角形から、正七角形までの正多角形をノートに作図し、特徴をまとめる。 2.正