【先週の生活者不満】①湿度対策、まだ商機あり、②スリッパの役割変化(~2023/7/2)
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。
先週の生活者不満(~2023/7/3)
注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
先週は雨の日が続く中で気温も高くなり、多くの地域で蒸し暑さを実感する一週間となりました。この結果、「大雨」「暑さ」などに加え、「湿度・湿気」が話題になりました。
また、多くの企業で夏のボーナスが支給されたタイミングであった中で、国家公務員の夏のボーナス支給額が3年ぶりに増加したとのニュースが報道されたことで「ボーナス」に関わる不満も多く寄せられました。
そのような中、今週は①「湿度・湿気」、②40代女性で増加した「スリッパ」に注目します。これらも先週増加が目立ったキーワードです。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。
①湿度対策、まだ商機あり
全体傾向で見たとおり、雨の日が続く中で気温も高くなり、多くの地域で蒸し暑さを実感する一週間となりました。この結果、「大雨」「暑さ」などに加え、「湿度・湿気」が話題になりました。
除湿対応商品や除湿関連サービスは既に様々リリースされており、日常生活に定着していますが、まだまだ「痒い所に手が届いていない不満」があるようです。
例えば、自動車の中の湿度対策。
確かに家の中以上に外の環境や気候の影響を受けやすい環境にもかかわらず、自動車における湿度対策は十分とは言えないのかもしれません。
また、湿度がペットに与える影響を心配する声も聞かれました。
ペットは家族が一員あるいはパートナーとしてみられる中で、ペット関連市場は成長していますが、次のキーワードは「ペットのための除湿」になるかもしれません。
特に自分が留守の間の湿度を犬種にあったかたちでコントロールしたい、というニーズは新しい商品・サービスの可能性を感じます。
そして、湿度が高いと「洗濯物が乾かない」という次の不満を生み出します。特に、子供の学校用の水泳が乾きにくいという不満は多くの親御さんが抱えている不満ではないでしょうか。
学校用の水着以外では乾きやすい素材が提案されていますが、定期的且つ高頻度で選択する必要がある学校用の水着こそ「乾きやすさ」が求められていると言えそうです。
こうしてみると「湿度・湿気」にまつわる不満にはまだまだビジネスチャンスが隠れているようです。
気候変動や物価高、制度変更など、いわば外部環境が生活者に与える影響を理解しようとする際には、大きな影響だからこそ、「虫の目」で解像度高く生活者の未充足な気持ちを観察することが有効で、そうすれば日々の生活を素敵にするヒントが見つけられそうです。
②スリッパの役割変化
40代女性の不満に着目をすると、ボーナス、湿度など全体傾向と類似する結果ですが、他の年代では見られなかった「スリッパ」への不満が増加したようです。
早速「スリッパ」への不満を見てみましょう。
やはり蒸し暑い日が続いた影響で、スリッパの快適性を期待する声がたくさん寄せられました。スリッパの消臭機能、べとべとしない触感が期待されるなど、お家時間を快適にするうえでこの季節ならではの不満がうまれているようです。
それに加え、スリッパに期待する役割がやや変化することを感じさせる不満も寄せられました。
一つは「スリッパで拭き掃除したい」というニーズです。これまでもモップとスリッパが合体した商品はありましたが、湿気が多い季節ということもあり、スリッパの裏に取り外し可能なシートを付けて雑巾がけのように掃除したい、というニーズが生まれたようです。
もちろん、滑りやすいなどの安全面への配慮も必要ですが、「手抜き」ではなく「手間抜き」をサポートするアイテムとして期待されており、うまく工夫すればヒット商品になるかもしれません。
そして次に生まれたのが「スニーカーのような底面のスリッパ」への期待です。滑りにくさを解消しながらも、災害時にそのまま靴に履き替えなくとも避難が出来るようなスニーカーのようなスリッパが欲しい、との声です。
「災害時でも普段でも使える」というフェイズフリーの概念が注目されていますが、スリッパにもそのような役割が期待されていると言えそうです。
お家時間が長くなる中で、これまでとは違うスリッパの役割が求められていると言えそうです。その背景には、もしかすると「家の中では靴は脱ぐ」という日本ならではの住まい方が一部の生活者で変容してきている可能性も感じます。
生活スタイルの変容は新たなサポートを必要とし、そこに新たなイノベーションが生まれるかもしれません。
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Insight Tech 伊藤
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