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2021年11月6日たねがしまスープオンライン 開催レポート

2021年11月6日、たねがしまスープオンラインを開催しました。ここでは、その経緯や当日の様子などを書きます。


▼たねがしまスープとは

たねがしまスープとは、スープ(軽食)を食べながら、種子島のまちづくりについて語り合うコミュニティです。
※今回はオンライン開催のため軽食の提供はありませんでした

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(過去のたねがしまスープ:軽食を食べて話し合う参加者たち)

▼たねがしまスープの特長

たねがしまスープは、発表⇒質疑応答⇒意見交換&投票⇒優勝者決定、という一連の流れで行われることが特長です。ただ漠然と話し合うのではなく、「私には、まちを良くするこんなアイデアがあるよ!」と発表する人と、それを応援する人に分かれるのが面白いところです。

たねがしまスープ (4)

今回の開催にあたって、この少し分かりづらいスープの仕組みの説明動画を作りました。実作業を担った岩手県立大学の佐藤優光さん、ありがとう!

▼開催の背景

たねがしまスープを行う背景として、島を取り巻く次の状況がありました。

①若年層の流出が著しいこと
離島という特性により、島内には高等教育機関(大学・専門学校など)がなく、高校卒業を機に7割強の生徒が島外へ出ます。それ自体は社会環境上仕方のないことですが、問題はその後に、島へ戻るという選択肢を選びづらいことです。例えば大学進学をした人の場合、就職活動を始める際に、やはり大手企業の待遇と地元のそれとを比較してしまい、なかなか島へ戻るという選択をしづらい状況にあります。こうした積み重ねで若年層は島外へ出る一方で、限られた域内は高齢化、またそれによる地域の既存機能の維持が困難になっています。

②チャレンジしにくい雰囲気があること
もうひとつ、現在の種子島には、新しい事を始めにくい雰囲気があるようです。筆者も移住者のため、地元の人に指摘されるまでは明確に気がつきませんでしたが、大きくないコミュニティの中で「わざわざ失敗するかもしれないような挑戦をあなたがする必要はない」というような、優しさゆえの制止が優位な意見となりやすい雰囲気があると地元の人は感じているようでした。

こうした背景の中で、日本全体がまだ見ぬ人口減少社会に突入していけば、地域の維持・再生は更に困難となってしまいます。そこで、たねがしまスープのような、「チャレンジしたいことを発表する場」で、「そのアイデアを応援し合う」という経験の共有を通じて、誰もがこれからの種子島の未来を明るく変えていきたい、と思えるようなコミュニティをつくりたいと考えたのが、取り組みのきっかけです。

▼これまで開催したたねがしまスープ

小規模ではありますが、これまでたねがしまスープは対面にて2回開催しました。

(第1回 ミニたねがしまスープ )

(第2回 ミニたねがしまスープ)

しかし、実際に投票券を発売し、優勝者への寄付が実現したのは今回が初めてのことでした。また、新型コロナウイルス感染症の感染状況に配慮しオンラインの開催といたしました。

▼今回の発表者

なんと言っても、見どころは3組の発表者たち。所属を問わずに、本当に発表したいことがあるメンバーが集まった今回は、発表のユニークさと熱意が伝わる素晴らしい方々でした。

発表No.1 種子島中央高校2年生チーム
『空き家リノベーションプロジェクト始動!~種子島で、のんびり田舎生活を始めてみませんか?~』

スクリーンショット (209)

概要:種子島は移住者が多く各分野で活躍している一方、住まい探しに苦労することが多い。そこで、種子島の空き家をリノベーションして、リアルな田舎ぐらし体験ができる施設を作れないか。

発表No.2 鸙野ほのか さん
『ゆる~い朝活コミュニティ、"シエスタ"をやりたい!』

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概要:転勤で種子島へ来たが、気軽に溶け込めるコミュニティがなく、友人も少ないためやきもきした時間を過ごしていた。そこで、中種子町の朝市の時間に合わせて朝活の場をつくり、初めての人でも溶け込めるような居場所をつくれないか。

発表No.3 野間口智 さん
『サトウキでのびのび種子島 ~持続的な地域発展を目指して~』

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概要:種子島を支えているサトウキビ産業。現在は収量・農家数ともに減少傾向にあり、このままでは10年後には生産農家が居なくなってしまうかもしれない。そこで、耕作放棄地のような条件の悪い畑でもよく育つサトウキビ品種の研究に、力を貸してくれないか。


投票券を購入した人のみ視聴できる質疑応答ライブでは、発表者に活動内容の質問などが行われ、朗らかで前向きな時間を共有しました。真剣なのに笑いがある。そんな姿が印象的でした。

スクリーンショット (539)

▼投票&優勝者発表

優勝は、『発表No.1 種子島中央高校リノベーションチーム』。得票数は5票でした。投票券は15枚販売されていたため、票がかなり割れたことが分かります。
(※投票券を複数枚購入しても、1票しか投じることはできません)

残念ながら高校生は帰宅が遅くなるわけにはいかず、ライブ放送の途中で中座。優勝者の居ない結果発表となりましたが、学校を飛び出して地域にアクションする姿は、多くの人が目をみはるものでした。おめでとうございます!

▼たねがしまスープの目指す未来

ロゴ案2だいだい

さて、たねがしまスープそのものは無事に終了しましたが、このスープを通じて目指す未来についても記しておきたいと思います。

たねがしまスープは"イベント"であると同時に、"コミュニティ"でもあります。その場限りの開催を目的とするのではなく、その場で知り合った「種子島好き」同士とつながり、お互いのチャレンジを応援したり、前向きな未来を創造して語り合うことができる人たちの居場所でもあります。

私たち事務局はたねがしまスープの開催を通じて、種子島全体に「チャレンジしやすい風土」、「応援し合う関係性」、「前向きな人たちの居場所」が育っていくことを目指していきます

▼次回のたねがしまスープ

たねがしまスープはボランティアで運営されており、開催は不定期となっています。次回の開催については、下記のFacebookページのチェックをお願いします。イイネを押すと、開催のお知らせがFacebook上に現れるようになります。発表したい方、参加したい方は、ぜひ次回にご参加ください。

また、たねがしまスープ事務局では、理念に共感して運営に携っていただける方を募集しています。「誰かのチャレンジを応援したい。」「種子島がもっと良くなる場づくりがしたい。」という想いがある方は、ぜひお問い合わせください。

お問い合わせは、同じく上部のfacebookページよりメッセージをお送りください。

この度の開催にご協力いただいたすべての皆さま。誠にありがとうございました。今後ともたねがしまスープの応援をよろしくお願いします。

たねがしまスープ運営事務局 一同


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この事業は、公益財団法人トヨタ財団 国内助成グループより助成を受けて実施しています
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