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ライブ撮影のあれこれ(機材・設定編)

こんにちは!

このnoteでは、多くの人が「難しい」「未知数」と思う”音楽ライブの撮影”について、僕が話せることをお伝えしようと思っています。

簡単な自己紹介

オオニシ トモヒロといいます。

2016年から写真を撮り始めました。いまは都内や横浜を中心にライブ撮影などをさせてもらっています。

もともとベーシストを目指していましたが、たまたま友人のライブを撮ったらカメラにハマったタイプの人間です。

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都内のバンドさんに撮らせてくださいとお願いしたり、友人の紹介から始まったお付き合いなどいつの間にか約3年。

音楽事務所MOJOST様やバンドApollogicなど皆様のおかげでライブを撮らせて頂いています。

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そんなわけで「ライブを撮り始めたばかりの頃の自分に向けて今ならこれを教えておく」気持ちでnoteを書きます。

あくまで僕の経験から得たやり方・考え方なので”これが正解”なんてことはマジでないですが、読んだ方の参考になれば嬉しいです。

Twitterで質問を募集したら、想像以上の反応があってプレッシャーを感じているのでいくつかに分けて書きます。

まずは手っ取り早く知りたいであろう機材の話から。

機材やカメラの設定の話

メインカメラ(CANON5DMark Ⅳ & Mark Ⅲ)

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カメラはCANONのデジタル一眼レフ5DMrakⅣとⅢをメインに使っています。

以前はNikonやFUJIFILMのカメラを使っていましたが、CANON2台持ちに落ち着きました。

理由は「全ての動作が右手で完結すること」と「壊れないこと」です。

NikonD750はたびたび左手をレンズから離す必要があったこと、FUJIFILM X-T2は故障が多すぎたから使わなくなりました。

どちらのカメラも好きだったけど、ライブ撮影には向いていませんでした。

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逆にCANONのカメラに思い入れはないけど、本当に使いやすいです。

もし今から「ライブ撮影用にカメラがほしい」という人がいれば、CANONを買っておけば間違いないと思います。

「フルサイズじゃなきゃダメなの?」問題

たまに質問されますし「やっぱフルサイズじゃないと〜」という人もいますが、僕はどっちでも良いと思います。APS-Cでもフルサイズでも。

下の福山さんのお写真の1枚目はX-T2です。(もっと広角だったらさらに格好いいのに…!)

フルサイズじゃなきゃこれは撮れなかった!」という場面は特にないです。見てくれた人が「いいね!」と感じてくれるカメラとレンズを使うのがいちばんだと思います。

サブカメラ(ライカM8)

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その日の空気とか「ライブがここで確かにあったんだよ」って時間を残したくて、モノクロでパシャパシャしています。

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世にでることはほぼ無いうえに、好きなアーティストの舞台裏を残したいっていうだけの写真ですが、気に入ってる写真が多いです。

こういう、メイキング撮影用に小さいカメラを一台持っていくと、テイストが違う写真が撮れて面白いんじゃないかなと思います。写ルンですとか、CONTAX T2とか。

レンズの話

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レンズはSIMGAの24-70mmF/2.8と、CANONの70-200mmF/2.8(手ぶれ補正なし)を使っています。「ぐぐっ…」と引っ張られる感覚が苦手で、手ブレ補正なしのレンズが好きです。

会場の広さなどに応じて、CANONの魚眼8-15mm広角16-35mmをレンタルすることもあります。

24mm~200mmの焦点距離をカバーできれば一通りのライブ撮影はできるはずですが、僕がいちばん大事だと思うのは「肉眼でみえる景色を撮らない」ということ。

肉眼でみえる景色を撮らない

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肉眼でみえる景色を撮らない。

具体的には”35~70mmくらいの焦点距離はなるべく使わない”

理由は、人が見ているのとほぼ同じ景色なので写真にインパクトが出しづらいから。SNSのTLに表示されたときに「おっ!」と思われづらい。

これは先輩カメラマンのニシオタクトさん(@tact13)に現場で教えて頂きました。

だから標準ズームではなく、会場の端から端まで入る超広角や魚眼を使ったり、望遠レンズで表情だけを切り取ることが多いです。

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肉眼で見える景色を撮らない。それだけで写真に迫力が出ると思います。

カメラの設定の話

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Twitterで質問を頂いたときに多かったのが、カメラの設定についてでした。
マニュアルorオート?被写界深度は?ISOは?WBは?などなど。

一言で答えてしまうと、

・必ずマニュアルで撮影します。・シャッタースピードは1/160s~1/1000sくらい。・標準広角はF/2.8開放・望遠はF/4で撮ります。・ISO感度は会場によってISO400~ISO10000まで幅があります。・WBは基本オート。納得いく色にならないときは自分で色温度を設定します。時と場合による。

以下ひとつずつ解説。

撮影モードは「マニュアル」

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僕はカメラが勝手に設定を変えるのが好きではないので、ライブはマニュアルで撮ります。

基準にしてる設定があって、そこから会場ごとに調整しています。

その基準が、

・F値:F/2.8・シャッタースピード1/160s・ISO感度:1600

です。

明るさが足りないとか、被写体がブレるときにはISOを上げたりシャッタースピードを速めたりします。ひとつ基準を作ると、会場が変わっても素早く対応できるんじゃないかと思います。

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ただ、別にマニュアルを使っている人が偉くてオートを使ってる人はダメ、なんてことは一切ないので好きなモードで撮影すればいいと思います。その人に合うやり方で撮るのがいちばん。

望遠レンズは、F/4まで絞る。

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望遠レンズは基本はF/4で固定してます。

理由は望遠のF/2.8だとピントが薄くてゆるい写真になりがちだから。1段絞ってあげたくらいの描写が好きです。

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↑望遠であればF/4でもしっかりボケてくれるのがわかるかなと思います。

強調したいものがあれば開放で撮ります。

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ほんと結論はどれも「好きに撮りましょう」になりがちですね。

ISO感度は遠慮せず上げる。で、優先的に下げる。

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前はISO3200を上限に、と決めていましたが最近はISO8000くらいまで平気で上げるようになりました。スマホやパソコンの画面でみる分には、それほど影響がないからです。

拡大すると「おぉ、さすがに粗い…」とびっくりなこともありますが、ISO感度を気にしてなにも撮れないよりずっとマシだと思っています。

そして、撮影中にアーティストさんの動きがピシッと止まるシャッタースピードを維持できるなら、ISO感度は最優先で下げます。

ホワイトバランスについて

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ほとんどの場合はオート(AWB)で撮りますが、会場によっては色温度で設定します。

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CANONの場合はホワイトバランスの項目から「K(ケルビン)」を選んで、自分で設定します(どのメーカーのカメラにも必ずあります)

太陽光にちかい「5600K」を基準に「3300K」くらいにすることもあります。

僕はリハのときに白色の照明に向けて試し撮りをし、背面モニターと肉眼とでなるべく色の差がなくなるように調整します(わかりづらい)。

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ホワイトバランスに関しても、撮られた人と発注した人が喜んでくれる範囲なら「カメラマンの好み」でいいんじゃないかなと思います。

やりすぎは嫌がられますけど「肉眼と同じ色の写真が一番かっこいいか」といわれればそうでもないですし。

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僕は自分に色をいじるセンスがないことを知っているので、できるだけ肉眼に近い色で撮るように心がけてます。そのほうがレタッチのときに楽です。

クリップオンストロボは「必ず」持っていく(できれば2灯)

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「ライブ撮影にストロボなんていらんでしょ?」と思ってました。2年くらい。

いやいや、ストロボは”必ず”使うんですよ。最後の集合写真で。

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後ろのお客さんまでしっかりピントが合うようにするためには、F/5.6~F/11まで絞ります。

とうぜん絞れば写真は暗くなって、会場の照明しか頼るものがなくなってしまいます。そういう状況で撮ると前列にいるアーティストの顔が白飛びしちゃいます(経験あり)

「RAWで撮ってあとでフォトショで〜」という考えはとても危険。白飛びも黒つぶれもない写真を撮っておくことがマジで重要です。

クリップオンストロボで集合写真を撮るときの設定

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・F値:F/8・シャッタースピード:1/160s・ISO感度:ISO1600~3200

たぶんこれでいけます。あとはアーティストさんの顔が真っ白にならないくらいの光量でストロボを真正面or斜め上に向けて発光させてください。

上記の集合写真もこのやり方で撮影しました。

集合写真の時間は、カメラマンに視線が集中するミスができない緊張の瞬間です。こればっかりはほんとに、慣れるしかないです。怖いです。

恥ずかしい話、最初はステージ上で足が震えてました。何度も何度も撮って、失敗するうちに撮れるようになるはずです。たぶん!


あと、集合写真だけじゃなくライブ後に「お疲れ様でした〜!」な写真を撮るときもストロボがあるといいです。

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機種はなんでもいいです。Amazonの最安値のものでもいいから必ず1灯(できれば壊れたときの予備で2灯)、クリップオンストロボを持っていってください。必ず役に立ちます。


まとめ

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以上、ガーーーっとカメラの話ばかりで、カメラマン以外はマジで興味のない内容になってしまったと思います。いかがでしたか…笑

こうやってライブ撮影の機材の話をしてみて、
この設定はカメラマンごとの好みで良いと思います」といいたくなる箇所の多さに驚きました。

改めて、ライブ写真に正解はないんだなぁと。

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少しくらい肉眼より大げさに見えていようが、色がおかしかろうが、ブレてようがかっこよければ正解で、その「かっこいい」と感じるポイントが、他の人にも受け入れてもらえるかどうかが重要で、使ってる機材とかテクニックが最前にきてはいけない気がします。

「経験」の中から自分のスタイル、正解を作っていくことが必要な撮影ジャンルで、あとは目の前のアーティストさんをどれだけ好きかどうか。

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僕は撮影させてもらっているアーティストさんみんな大好きだし、本当に感謝しかないし、ライブを撮ってるときがいちばん楽しく、誰かの役に立てている気がします。

このnoteを書くにあたって改めて自分の過去の写真とたくさん向き合ういい機会になりました。

まだまだ下手くそ。よくこれで呼んでもらえてたな…。って思う写真ばかり。

さらにいい写真が撮れるように精進します。

とまぁ長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。

いいねを押してくれたり、Twitter等で拡散してくれるととても喜びます。

続きはまた今度書きます。


Twitterもやってます。


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