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『ヨーガ・スートラを読みたい』始めます

ヨーガ・スートラを読みたい

ヨガクラスに通っているだけでは触れる機会がなかなかなく、ヨガのインストラクター養成講座を受講しても、かいつまんだ説明だけで終わってしまうんではないかと思います。ヨガの経典「ヨーガ・スートラ」のことです。

ヨガ哲学については、簡潔に説明した書籍や記事がいっぱいあります。でも、簡潔に説明するために省略されたぶん、取りこぼしてしまうところってあるよなと思います。なんといっても、散らばっていたヨガの教えを、まとめて、体系化して、選び抜かれた196節を、読み飛ばしてしまうなんて、もったいないでしょうと、そんな気持ちです。

4章196節から成る「ヨーガ・スートラ」を1節ずつ時間をかけて読んでみたら、とても面白かったので、2周目を一緒に読みませんかと思って、この『ヨーガ・スートラ』を始めることにしました。


なぜ、私がやるのか

私がヨーガ・スートラに出会ったのは、ヨガインストラクター養成講座を受講した時でした。バックパッカー放浪生活中の出来事だったことと、自分の英語力でいけるだろうと、200時間のトレーニングを英語で受講しました。

実際のところは、語学力と時間が圧倒的に足りず、足りないままでいいからとにかく進めて、なんとか修了したというかんじ。与えられたマニュアルとは別に用意するよう言われていた「Four Chapters on Freedom」(参考1。以下、フォーチャプターズ)も、なかなか読み切れずにいました。


そんなわけで、日本に戻ってきて、日本語で読みたいと「インテグラル・ヨーガ (パタンジャリのヨーガ・スートラ)」(参考2。以下、インテグラル・ヨーガ)を入手。この本もフォーチャプターズの著書であるスワミ・サッチダーナンダの解説を紹介したものです。しかし、1節1節の解説がなかなか違うことに気付きました。

フォーチャプターズは、硬派に淡々と書かれています。そして、たとえば北京を ”ペキン” と読まずに、中国語で読む音のまま ”ベイジン” と読むように、サンスクリット語の用語をその音のまま読むことになります。たっぷりの用語やテクニックが出てくるので、読むだけでも、なかなか骨が折れます。

インテグラル・ヨーガは、ヨガ哲学に近い仏教や神道がなんとなくしみこんでいる日本人に向けた本なので、日本人の私は読みやすい。漢字のおかげで意味が想像できるのも、とてもありがたい。だけど、用語やテクニックについての記述が減っているのは、読み手に優しいと同時に、ちょっと寂しいなと思ったりもします。

その違いがね、私は面白いなと思ったのです。


もう少しその違いを探ってみたいと思って受講したのが、Hareesh Wallis(参考3。以下、ハリーシャ)の「Yoga Sutra Illuminated」というオンライン・トレーニングです。ハリーシャは、ヨガ実践者であり、宗教やサンスクリット語などでの博士号をを取得している学者です。ヨガインストラクター養成講座の哲学の先生がすすめていた講座だったんですが、掘り下げ方が面白く、現代用に翻訳して解説してくれるので、気持ちよく腑に落ちる。

読みやすさはフォーチャプターズとインテグラル・ヨーガの中間くらいだけど、分かりやすさと深さの公約数が最大だと思っています。英語大丈夫よという方は、ぜひ「Yoga Sutra Illuminated」をぜひのぞいてみてください。全力で推します。


自分を、日本人・女性・中間子・ふたご座・好物は明太子などなどと認識することは間違っているし、それが苦しみの原因だよと、ヨガは言います。それらが自分だと思うことは、たとえば、鏡に映った自分を、鏡についている汚れごと自分だと思ってしまうことと一緒だよと。

それならば、違う言語で解説されたヨーガ・スートラを読み比べてみることで、言語を形成する文化によってまた形成されている何層ものレイヤーを、少しはがしやすくしてくれるんじゃないかと思っています。少なくとも、わたしには、それがすごく良かったんです。


だって、ヨーガ・スートラだし

ヨガが初めて文書に記載されたといわれているのが、紀元前5,000年あたり。パタンジャリが「ヨーガ・スートラ」をまとめたのが、西暦100年あたり。(どちらも諸説あります)。印刷技術の発達していない時代背景もあいまって、最大の情報を最小の文字数でまとめたといわれている、この「ヨーガ・スートラ」の196節。

「スートラ」はサンスクリット語で「糸」という意味もあります。パタンジャリが紡いで織って残してくれた「ヨーガ・スートラ」の、その1本1本の糸を、自分色で染めてしまったり、たまにこんがらがったりしたとしても、最後までなぞってみることができたなら、その使いこんだ織物って、きっとこの先一緒に旅する友になると思いませんか。


1節ずつの記事を、毎週水曜日*にアップしていきます。自分の生活で実践して経験してみてこそなので、それと1週間を共に過ごしてみる。自分のヨガのアーサナ(ヨガのポーズ)の練習とか、呼吸法、瞑想とかだけでない毎日のあれこれに、ヨーガ・スートラをもみこんでいくツールとして活用してもらえたら嬉しいです。
(*第2章からは毎週金曜日になりました。)

そして、各スートラのサンスクリット語の発音も、毎回、音声ファイルで聞けるようにしています*。Himalaya Yoga Valleyという、わたしが200時間のトレーニングを修了したインドの学校で、朝のチャンティングを担当しているマンディープの、美しい発音をどうぞお楽しみに。
(*インドに戻れないため、第2章以降が録音できず、現在は、用意できないまま進めています。)

サンスクリット語は、発声したときに体の中でどう振動するかを設計されている言葉なので、ぜひ口に出して一緒にサンスクリット語を読んでみると、しみますよ~。ぜひ身体全部でヨーガ・スートラを味わいましょう。

そして、何より継続が大事だと思っているので、読んでくれる方も、書いている私も、共に息切れしないように、長くても3,000字程度におさめたいと思っています(この記事が2,700弱)。


ちょっと引かれそうかなと思いつつ書きますが、1週間に1節を紹介すると、終わりまでに、なんと4年かかります。でも、まあいいかと思っています。ヨガの助けを借りたとしても、本当の自分のそこに眠るそれを知るなんて、私は4年でもできる気がしないから、だからひとまず、長く一緒に過ごしてみることにしてみよう。

賛同していただける方、ぜひ一緒に読み込んでいきましょう。いざゆかん。

(2021年10月22日加筆・修正)



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