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「事実、選択肢は増える」#いい時間とお酒

お題投稿「いい時間とお酒」


 私が酒を呑みだしたのは、酒に強い友人が居たからです。
 と、ものすごくシンプルに言ってしまえばコレに尽きます。
 語弊があるので、本人にはいやがられるけれど。笑

 もともと、母方が酒に強い家系です。もっと言えば「酒に強いけど、呑むことに興味が薄い家系」です。反対に、父方は「酒に弱いけれど、晩酌はしたい家系」です。
 足して2で割ったら、酒に強くもなく弱くもなくなりそうなものですが、結果として三姉弟みんな酒が強いほうに傾きました。弟などは「酒に酔う前に、胃が死んで呑むのをやめる」と言っています。つまり胃腸のほうが弱い。同じ吐くでも酔ってないだけマシだと思っていただきたい。

 平成一桁の時代なので流していただきたいのですが、親戚のおっちゃんが面白半分で幼い私にビールを飲ませ、マッッッズと思った記憶が深く植え付けられていたこともあって、私は20歳を過ぎてもしばらくはカシオレと梅酒ソーダしか呑まないひとでした。カシオレというのも時代よな……。
 大学も大学院もほとんど呑み会なく過ごし、入社した会社でも公式呑み会は忘年会だけだったので、基本的にはカクテルと梅酒ソーダ、飽きたらソフトドリンクで過ごしていました。乾杯だけはビールのときも、乾杯して残していた記憶があります。
 まあいまでも会社の忘年会で呑むビールはなぜかすこぶるまずいのであまり呑まないんですけど。あれは一緒に呑む空気がまずいんだろうな。なにせ社長と副社長が居るからな。

 そう、酒は「何を呑む」より、「誰と呑む」「どこで呑む」が重要なのだと、その忘年会を経て自覚したように思っています。

 それじゃあ楽しい呑みとは何かと言うと、やはり「友人と呑む」でした。

 私には、中学からの友人と、高校からの友人と、大学からの友人という、大きく三方向に付き合いがあります。よく遊ぶのは、中学からの友人と大学からの友人。何故ならどちらもヲタクの集まりだからです。
 このうち、「酒に強い友人」というのは、中学からの友人のひとり。映画に行ってはご飯を食べて帰る、カラオケに行ってはご飯を食べて帰る、イベントに行ってはご飯を食べて帰る。そうやって10年以上(当時)の付き合いになった頃、私の中に「そろそろビールを美味しく感じる気がする」という思いが生まれました。たぶん仕事お経てコーヒーが飲めるようになったので、苦味の旨みを理解してきたと思ったのでしょうね。あとは単に暑かったのかもしれない……。

 酒に強い友人にそのことを話すと、じゃあと連れて行ってもらったのが、ご存じ「キリンシティ」でした。ハイようやく核心ですよ!!!

 ビールのプロが造ったものを、マイスターに注いでもらった生ビール。
 美味しくないはずがない。
 一緒に乾杯するのは、気のおけない長年の友人。
 楽しくないはずがない。
 その時から、私の「ビールが美味しい人生」がはじまったのでした。
 どっとはらい。

 ……いやまだ「選択肢」の話に行き着いていないな?

 キリンシティを「ビールが美味しい人生」のスタートにして良かったところは、お料理も美味しいことでした。とくにアヒージョ。単体でも美味しいけれど、生ビールと一緒にするとさらに美味しい。
 この体験から、もちろん酒がなくても美味しい料理があるのは間違いないとして、酒があるとより美味しい料理があると理解したわけです。そのときに、確実に「料理を選ぶ選択肢」は増えました。食べたいと思える料理が増えると、行きたいと思える飲食店も増えて、その友人と出かける先がうんと増えました。そんなこんなでいま20年を超えた付き合いです。これからも仲良くしような。

 もちろん、酒がそんなに好きじゃない友人とも、酒が好きだけどあまり強くない友人とも出かけますし、ご飯も食べます。だけど、そういうときに選ぶ飲食店は、件の酒が強い友人と出かけるときに選ぶ店とは違う。それは総合して「行き先の選択肢が増えた」ことにほかならないと、私は思っています。
 酒が強い体質と、酒が好きだと思える嗜好になった偶然を、私はラッキーだと思っています。だからと言って、ほかのひとに「美味しいと思うかもしれないから呑んでみたら?」なんて絶対に言いません。そりゃそうでしょう。酒が呑める年齢の我々はいい大人なのだから、そういう判断は個々人でするものです。
 酒を呑む機会を奪われたくないから、酔って迷惑行為をしたこともないし、してしまうような呑み方をしないだけのリテラシーはあります。吐くときだってちゃんと家に帰ってから吐いてるよ!!!(紙一重のリテラシー)

 つらつらと書き連ねてまいりましたが、私にとって酒は、選択肢を増やすもの。

 事実、友人と過ごす時間の選択肢は格段に増えて、おかげでいまも楽しく「ビールが美味しい人生」を送っております。
 めちゃくちゃ数少ない友人との「いい時間とお酒」を支えに、私は今日も働いています。いや、いまの働き方は正直要検討ではあるのだけれど!!!

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