見出し画像

本を読むなら移動中に

 ありふれた問いですが、あなたはいつ本を読みますか。


 私はもっぱら「移動中」に本を読みます。出勤前提の会社勤めなので、いちばん多いのは通勤時に電車で読むことです。
 会社が移転して、以前はドアtoドアで1時間だった通勤時間が、いまやドアtoドアで1時間半に。乗車時間も倍になって1時間ほどを占めています。まあこれは、座るために各停に乗るからもあるのですが。
 日に2時間あったら、読書も進むというもの。こと私が趣味読書で選ぶのは、ファンタジー、ホラー、ミステリなどの娯楽小説なので、本によっては1日で読み終えることもしばしば。なので、手持ち無沙汰にならないよう、2冊以上を「文庫用フラットポーチ」に入れておくのが常です。
 あるいは、持ち出し用iPad miniで電子書籍を読むこともあります。kindleでダウンロードしておけば通信する必要もないのがいいですね。


 なぜ「移動中」に本を読むのかと言えば、私の性格に合っているから、としか言えません。
 本を精読あるいは耽読するには「移動中」が向かないことは充分に理解しています。実際、私にも「誰にも邪魔されずに味わいたい本」はあるので、そういうものは自宅で読みます。とはいえ、〈私事〉としてする読書、〈趣味〉としてする読書は、本当の意味で精読ではなくとも、自分なりに集中して読めれば充分に味わえると思っています。
 前述の気持ちは、決して軽んじているわけではありません。なぜなら私にとって、「移動中」の読書は暇つぶしなどではなく、生きがいだからです。仕事あるいは外での用事の前後に「移動中の読書」があるからこそ、私は社会的生活を送れるのです。ええ、他の方のことは判りませんが、私にとってはそうです。
 基本的には電車移動の民なので、運んでもらっている間に自分は本を読んでいられるという贅沢。ありがたく満喫しています。


 読む本がなくならないのかとも言われますが、確かに「新刊書店で購入した本の積ん読」はなくなることがあっても、それなら再読すればいいし、ホラーやミステリは古い作品をいま読むこともあるので古本や図書館も利用します。
 なお、私は「持ち出すのは文庫から新書まで」を基本としているので、単行本は自宅で読みます。京極さんの『鵺の碑』はまさかの店頭売り切れという憂き目に遭ったので、なぜか自宅で電子書籍を読みましたが(入荷まで待つ気持ちではなかった)、そもそも「百鬼夜行」シリーズは文庫でもそれなりの厚さか分冊で多めだったりするので「電子百鬼夜行」でも買っています。
 要は使い分けですね。私が快適に読書をすることが大事。そのために適切に対価を支払うべし。古本と図書館は最終手段としています。


 などという、何のライフハックもない持論「本を読むなら移動中に」でした。
 これも絶対ではなくて、混んでる路線に乗るときはAudibleにして「聴く読書」をしていますし(両手が空くから安全で迷惑がかからない)、出張の新幹線では配信でアニメを観ることもあります。とにかく何かを〈摂取〉していたい。それを〈消費〉にしないために、私は読んだり聴いたり観たりしたものについて語っている、のだと思います。
 まあ寝るときは寝ますし、ヲタクなのでえっくすに張りつく日もあります。
 すべてはその日の心身が求めるままに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?