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クリエイターとファンが作る理想的な未来について

こんにちは、OLPのともちかです。

私は日本のクリエイターの中国進出を支える会社、OpenLabPlatform株式会社の代表をしております。

私たちは日々、クリエイターにとってより理想的な未来について考え抜いています。

そして、どのようにすれば、何をすれば、クリエイターの方々に最大限貢献できるかを考えて、サービスを作っています。

そこで本Noteでは、私たちが見据える「クリエイターとそれを取り巻く環境の変化」について話していきます。

今はまだ世の中が追いついていなくて実現されていませんが、必ずやってくるだろうと考えている未来を、私たちは日々考えながら活動をしています。

ですので、OLPの事業内容はその未来と連続的なプロセスの中にあるものです。このNoteを読んで頂ければ、OLPのやっていることやその意義が、より立体的に理解して頂けると考えております。

私たちは、今後数年でクリエイターを取り巻く環境や、その活動範囲は爆発的に変化すると考えています。

その未来は本当にやってくるのか?
その未来が来た際に、自分は何をすべきか?

そのようなことを考えながら読んで頂ければ、楽しんで読んで頂けるかと思います。

※OLPが何をやっている会社なのかを理解している方を想定したNoteになりますので、もしOLPについて何も知らないという方は、こちらのNoteを先にご覧頂ければ幸いです。

本Noteでは、現在クリエイターを取り巻く環境を俯瞰した後、MCNという業界の現状と課題点について言及します。そして、その課題を解決し得る「ファン」という存在について考察し、OLPの現在の立ち位置と将来的な事業構想について軽く触れさせて頂ければと思います。

少し長くなりますが、お付き合い頂ければ幸いです。

クリエイターを取り巻く環境と課題

YoutubeやInstagramを始めとした大手プラットフォームにおいて、一部のクリエイターが収益化に成功を収め始めて以来、クリエイター間の競争は加熱し続けています。

また、既に大きな影響力を持つ個人(例えば芸能人など)が市場に参入を強めたことで、クリエイター市場はますます盛り上がるとともに、総合格闘技のようなマルチな戦い方が全クリエイターに求められています。

一度は成功を収めたクリエイターでも、活動を止めてしまった瞬間に一気に求心力・影響力を失う構造がそこには存在します。

クリエイターにとって「求心力・影響力を失う」ということはつまり、収益源を失うことに直結します。

ですのでクリエイターの間では今、「歩みを止めることを許されず、常に求心力・影響力の最大化のためにコンテンツを生み出し・発信し続けなければいけない」という状態が蔓延しているのです。

そこで、今後は新しいファン層の獲得競争はますます激化し、グローバルでの活動を強化するクリエイター(グローバルクリエイター)が一気に増加すると考えています。(※前記事参照

簡単に言えば、海外のファンの獲得を狙うクリエイターが増えると考えています。

ですが上述の通り、クリエイターにとって現状の維持だけでも手一杯な中で、新しく海外市場に挑戦していくことは容易ではありません。成功しているクリエイターであればあるほど、「今やらなくてはいけないこと」で精一杯で、余力は無いように見受けられます。
(この状況は、クリステンセン先生の「イノベーションのジレンマ」に大変よく似た状況だと日々感じます。)

つまりまとめると、クリエイターを取り巻く環境としては
「求心力・影響力の維持への注力」
「新規ファン獲得競争の激化」
「リソース不足」
が見受けられ、その根本となる課題としては
「不安定な収益構造」
があると考えています。

OLPのサービス領域

先に断っておくと、この章では自社PRをするつもりはありません笑
ただ、後述の部分を説明する際に、分かりやすいように、この章では弊社のサービス領域に簡単に触れます。

OLPでは、以上の状況を鑑みて、「グローバルクリエイターの支援」をメイン事業にしています。

既に海外での活動に注力したいと考えているクリエイターの方々をメインに、海外でのコンテンツ発信やアカウント運用、収益化のサポートをしております。

前章の括りで言うと、クリエイターの「海外での新規ファン獲得」という目的に対して「リソース不足」であるという現状を解決するためのサービスであり、「将来的な収益基盤の構築」をゴールにおいて一緒に取り組ませて頂いているようなイメージです。

「グローバルクリエイターが確実に増える」と信じている私たちだからこそやる意義がある事業だと考えていますし、今後もっともっとニーズが増える領域だと考えています。(ちなみに現在OLPでは、海外の中でも中国での活動を強めたいクリエイターのサポートがメインになっております。)

勘の良い方は既にお気づきかもしれませんが、OLPとよく似たビジネスモデル・サービスはここ数年で一気に有名になっています。それはMCNです。

ただ、提供している価値・サービスは似ていても、私たちが目指している未来と、MCNの目指している方向性には大きな違いがあります。

次章ではそちらについて触れていきたいと考えています。

急速に広まったMCNという存在

みなさんは、MCNと聞いてピンときますでしょうか?
分からない方用にググってきたので下記をご覧ください。

マルチチャンネルネットワーク: multi-channel network、MCN)は、YouTubeTikTokWeibo、WeChat、bilibili淘宝網小紅書などインターネットメディアで複数のインフルエンサーYouTuber、TikTokerなど)と提携し、コンテンツ制作・配信・デジタル著作権管理・収益化・営業など総合的なサポートをする組織の総称である。

Wikipedia

イメージしやすいように、乱暴な例えをするとインターネット時代の「芸能事務所」のようなイメージです。日本だとヒカキンさんが所属していることでも有名なUUUMなどが広く知られています。

この業界はここ数年で一気に伸びました。これは日本だけではなく世界的に見ても伸びています。

それはなぜでしょうか?

MCNの仕事は多岐に渡りますが、その本質は広告主(クライアント)とクリエイターを繋ぐことだと思っています。

つまり、インターネット上で活躍するクリエイターに仕事を依頼したいクライアントが増えれば増えるほど、MCNの存在意義は大きくなります。

となると、MCNのコア・コンピタンスは「求心力・影響力のあるクリエイターをどれだけ抱えているか」です。

だからこそ各MCNは、競合他社との差別化のために、クリエイターにとって魅力的な条件を提示したり、クリエイターの周辺業務を巻き取ったりしていくのです。

それでは話を「MCNという業界がここ数年で一気に伸びた時代背景」に戻します。

見てきたようにMCNが浸透した背景は、インターネット上で活躍するクリエイターの価値が世間一般に広く知られるようになり、彼らに仕事を依頼したいクライアントが急増したからだと言えます。(ちなみに中国では、たった数年で2万社を超えるMCNが誕生しました。日本に比べて、いかに中国ではクリエイターの価値が高く、企業ニーズが大きいかが、この章を読んで頂ければより理解してもらえるかと思います。)

このことは、YouTuberという職業が一気に認知を獲得して、テレビやCMにも多く起用されだした現象を目の当たりにした皆さんにとってもイメージしやすいものだと思います。

それでは、このMCNという業界は今後も伸び続けるのでしょうか?今後も社会にとってなくてはならない存在になり続けるのでしょうか?はたまた、芸能事務所にとってのMCNのごとく、新しい分野で新しい形の業界が成立して上手く棲み分けがされていくのでしょうか?

次章では、この問いに対する私たちの考えを紹介していきます。

MCNの業界課題とこれから

この章は生意気にも、MCNという業界の課題だと思われる部分踏まえて、この業界・業態が今後どのように変化していくか(変化していくべきか)について主観も交えながら話したいと思います。

現在、MCNという業界は、上手くワークしているのでしょうか?うまくいっている部分も多いと思いますが、そうでない部分もだんだん見えてきているように感じます。

理由は1つで、「成功しているクリエイターであればあるほど、MCNに所属し続ける意義が少なくなる構造」がそこにはあるからです。

上述した通り、MCNのコア・コンピタンスは「求心力・影響力のあるクリエイターをどれだけ抱えているか」です。この矛盾は、この業界の大きな課題であると考えています。

分かりやすいように、芸能事務所と比較しながら見ていきます。
芸能事務所とMCNのコア・コンピタンスはとても類似していて、「求心力・影響力のあるタレントorクリエイターをどれだけ抱えているか」と言えます。下記に芸能事務所とMCNの仕事一覧をまとめましたのでご覧ください。

芸能事務所の仕事
1,プロフィール作成
2,媒体への売り込み(バーターでの売り込み)
3,スケジュール管理
4,ギャラの交渉
5,トラブル対応
6,マスコミ対応
7,スクール運営
8,ファンクラブの運営
9,物販
10,制作(イベント、ブッキング、DVD・CD、Webコンテンツ、動画)

MCNの仕事
1,視聴者の開拓支援
2,収益化の支援
3,コンテンツ企画・制作支援
4,クリエイターのコラボ支援
5,デジタル著作権管理
6,企業案件の獲得・斡旋
7,イベントの開催
8,物販支援
9,ファンコミュニティの運営

細かく挙げるとキリがないので、一旦このくらいにします。
この様に見てみると分かる通り、実は芸能事務所やMCNでなければできない仕事というのは意外と少ないのです。

特に、MCNがクリエイターから代替している仕事に関しては、殆どがクリエイターのみでも最低限やろうと思えばやれるものです。(もちろん、大型イベントの開催や大型クリエイターとのコラボなどは、MCNだからこそできる仕事なのですが、一般的なオフ会イベント開催やクリエイターとのコラボなどはクリエイターのみでも実現が可能だと思っています。)

一方で、芸能事務所はと言うと、芸能事務所でしかできない仕事があります。それは、太文字にした「2,媒体への売り込み(バーターでの売り込み)」という部分です。これに関しては、タレント一人の力ではなかなか難しい部分があると思っています。

両社を比較した時に見えてきたこの違いは何によるものでしょうか?
それは、芸能事務所が主戦場としていた媒体(TVなど)は、閉鎖的で参入するのが難しく、MCNが主戦場としている媒体(Youtubeなど)は、オープンで誰でも参入するのが容易であるという違いがあります。

その上で、両社ともコア・コンピタンスは「求心力・影響力のあるタレントorクリエイターをどれだけ抱えているか」ですので、両社が取り得るであろうビジネス上の基本戦略を考えると、

  • 芸能事務所はいかに媒体への営業力を維持・向上できるか。

  • MCNはいかに誰でも参入できる市場において、求心力・影響力のあるクリエイターを発掘・育成できるか

となります。
ですのでMCNに限定して今後の動向を考えると、ますますスクール的な要素が大きくなっていくものと考えられます。ざっくり言うと、優秀なクリエイターを発掘して加盟してもらうために交渉するのは簡単ではないので、1から育ててしまおう!という戦略です。

そしてそれはMCN市場の立ち上がり初期からもう見えていた動きです。
2014年にUUUMが1,000人の新規クリエイターを募集していた記事

なるほどな。と思って頂けましたでしょうか?ただし、この芸能事務所とMCNの違いこそが、MCNにとっての大きな業界課題だと私たちは考えています。

少し長くなってしまったので、MCN業界のこれからについては、次章で詳しく書きたいと思います。

MCNの業界課題とこれから (Part2)

見てきたように、MCNのコア・コンピタンスは「求心力・影響力のあるタレントorクリエイターをどれだけ抱えているか」でした。

また、MCNの基本戦略は、「いかに誰でも参入できる市場において、求心力・影響力のあるクリエイターを発掘・育成できるか」でした。

このことを踏まえて、もう一度MCNの仕事を見てみます。

『MCNの仕事』
1,視聴者の開拓支援
2,収益化の支援
3,コンテンツ企画・制作支援
4,クリエイターのコラボ支援
5,デジタル著作権管理
6,企業案件の獲得・斡旋
7,イベントの開催
8,物販支援
9,ファンコミュニティの運営

こうして見ると、新規参入するクリエイターにとって太文字の領域はMCNと一緒にやるからこそ効果が最大化する部分です。

だからこそ、MCNの存在意義が高く、クリエイターとMCN間で将来的なWin-Winの関係が成立します。

将来的なWin-Winの関係と書きました。
そう、ここは初期からWin-Winの関係にはならないのです。

日本のMCNのビジネスモデルの大部分は、チャンネル収益の分配と案件斡旋のマージンです。(細かい部分はもっとあります。)

とすれば、新規参入するクリエイターにはいずれの収益も発生させる力はないので、新規参入するクリエイターとMCNとの関係値は、MCNが初期投資する形で成立します。

これは、MCN側の「将来的に初期投資分を回収できる」という目論見のもとに成り立っています。

私が上述した「将来的なWin-Winの関係」とは、つまりこういうことです。
そしてこれが、「将来的なコンフリクト」を孕んでいる部分でもあります。

前章で述べた通り、MCNがやっている仕事の中で、MCNでなければできないという領域は意外と少ないのです。

そして、テクノロジーの進化や様々なサービスが充実したことで、クリエイターのみでも十分にやっていける・食っていけるだけの状態が今の日本にはあります。

イメージしやすいように、例を挙げます。

企業がクリエイターに案件を依頼したい時は、SNSのDMで十分です。
クリエイターが物販をやりたいなら、BASEやShopifyで簡単にECサイトが作れます。
デスク業務(税務など)は、格安で代行してくれるサービスが増えていますし、ファンコミュニティを安く運営できるサービスもたくさんあります。
そして何より、クリエイターに案件を発注したい広告主にとっても、MCNに中抜されないので、クリエイターに直接依頼したいと言うインセンティブが強くなることも考えられます。

もちろん、これら全てを高次元で巻き取ってくれるのがMCNですし、クリエイターごとのニーズに行き届いたサポートをできるのがMCNです。
ただ言いたいのは、「MCNがいなくても、クリエイターのみでも十分にやっていける・食っていけるだけの状態」は、ある程度簡単に実現してしまうということです。

そうなった場合に、起こるのが有名クリエイターのMCNの脱退です。

2021年頃から、有名クリエイターのMCN脱退のニュースが後を絶ちません。これらのニュースの背景の1つには、間違いなくこれらの要因が絡んでいると考えられます。
(余談ですが、この1−2年は吉本興業やジャニーズ事務所といった大手芸能事務所でも似たような事象が多く発生したことを皆さんもご存知かと思います。)

これを、この業界の構造が孕んでいる「将来的なコンフリクト」だと考えています。

端的に言うと、MCN(or芸能事務所)の思惑とは異なり、回収できると目論んでいた初期投資の回収タイミングで、クリエイター(or所属タレント)がMCN(or芸能事務所)を脱退して、自分たちで収益の最大化に取り組んでいくということが当たり前に起こるということです。

だからこれからのMCNや芸能事務所は、有名クリエイターや有名タレントにとって、自分たちにしか提供できない価値を常に探しながら、1人あたりへのサポートを強めていく必要があります。

ただ、これほど様々なサービスが世の中にある時代に、MCNや芸能事務所でなければ提供できない価値はどれほどあるのでしょうか?
有名クリエイターや有名タレントを確実に惹きつけ続ける方法が、存在するのでしょうか?(もちろんだからこそ、多くのこの業界の方々は、長年の時間の上に成り立つ人間関係をすごく大事にされていることも私たちは知っています。そして、それがとても素敵で簡単に他の企業が真似できないような繋がりを作っていることに多大なるリスペクトを持っています。)

ただ、事実に目を向けた時に、脱退を選択するクリエイターやタレントは存在しますし、今後も増えると考えています。

これは、業界構造の問題でもあり、従来の体制ではなかなか解決できないものだと考えざるを得ない。というのが私たちの結論です。

芸能事務所が初めてこの世に成立した時には、タレントが1人で収益化やその他の業務を全てマネジメントできる未来は想像できなかったと思います。

それほどまでに、世界は急速に進歩しているのです。

そしてこれこそが冒頭で述べた、「成功しているクリエイターであればあるほど、MCNに所属し続ける意義が少なくなる構造」なのです。

ここで、Noteが終わってしまえば単なる第三者がキャンキャン吠えてるだけですので、次章以降で「この現状をどのように解決すべきなのか」について私たちが考えていることをご紹介します。

OLPもクリエイターをサポートしています。
そして、クリエイターから巻き取っている業務内容も、広く見ればMCNの親戚のような領域です。

つまり、この業界課題は私たちOLPにとっても、解決すべく考え抜いていかなければいけない課題でもあるのです。

本題まで大変長くなりました。
それでは、あと少しだけお付き合いください。

ファンの存在感が爆発する

端的に言います。
MCNの仕事のほとんどはファンが巻き取る時代が来ると確信しています。

詳しく言います。
どれほどテクノロジーが進化しようが、どれほどサービスが溢れようが、クリエイターがクリエイターとして生きていくためには、「ファンの存在」だけはなくなりません。(逆に言えば、クリエイターは仮にMCNから脱退しても一定数のコアなファンがい続けてくれる限り、その基盤は安定したままです。)

そして近い将来には、「ファン」は「クリエイターにとって必要だけどそのクリエイターじゃなくてもできる業務」をどんどん巻き取っていき、そこには「応援関係を基盤とした独自の形での報酬体系やルール」が発生していくと考えています。

そしてこれは、少しずつですが既に起き始めています。

例えば、あるYouTuberはファンの中からカメラマンを採用したり、テロップ入れを発注したりしています。
オフ会イベントは、ファン間で自発的に発生し、クリエイターは不定期に参加します。
動画編集などの業務も、ファンの中で得意な人を募る形で巻き取ってもらっています。
もっと広く見ると、LINEスタンプのデザインやECサイトの開発、旅行に行った際の現地での同行・コンダクトなどをファンがやるケースもよく散見されるようになっています。

これらはおもしろいことに、「ファン」にとってはいずれも「ご褒美」に近いものなのです。

普通だったらお金を貰うための「仕事」でしか無いことも、応援している人への貢献であれば、タダでもぜひやりたい!という感情がそこにはあります。

(かく言う私も、色んなクリエイターのビッグファンですので、彼らファンの気持ちが痛いほど分かります笑)

そして、定期的に発生する業務(YouTuberにとっては先述の動画編集など)に関しては、クリエイターとファンの間で実際に雇用契約や委託契約に発展しているケースも知っています。

そう、今は金銭の授受によって、クリエイター側からファンに対価を支払う場合は、契約関係が主流なのです。

ただ、ここはもっとライトな関係が誕生すると思っています。
ファンにとっては堅苦しすぎる関係ですし、クリエイターにとってはちゃんとお礼をしたいだけなのにベストな方法が無いし、契約を結ぶ必要がないほどの業務にもお礼をしたいけど、それにピッタリな形のベストな方法がない。みたいな状態だと思います。

だからこそ、現状は「ファン側がクリエイター側に無料で貢献する」という状態が一番多いように見受けられます。
ファンとしてはそれでも十分に嬉しい状態なので、問題は無いです。(むしろありがたいです。)

しかし、この章の冒頭で述べたような、「ファン」が「クリエイターにとって必要だけどそのクリエイターじゃなくてもできる業務」を巻き取る未来の到来には、この辺りの整備がもう少し必要だと考えています。

少し、話がそれました。
では、なぜ私たちはこれらの未来の到来を確信しているのか?
なぜこんなにも言い切っているのか?
それは、私たちが主戦場を中国でのクリエイターサポートにしているからです。

次章では、この章で述べた未来が今すぐにでもやってきそうな中国ファンの現状のお話をします。

日本のクリエイターと中国のファン

私たちは、日本のクリエイターの中国進出をサポートしています。

この章で紹介することを分かりやすくするために、まずは中国のネット事情を簡単にご紹介させてください。

大前提、中国では日本では当たり前に使えるサービスはほとんど利用できません。(実際にはVPNを利用して使えたりするのですが、基本不可です。)

例えば、You Tubeは見れません。TwitterもInstagramも見れません。

その代わり、You Tubeではなくbilibili、TwitterではなくWeibo、Instagramではなく小紅書というサービスが存在しています。

ですので、動画コンテンツを多く保有するクリエイターの中国展開を支援する際には、中国版You Tubeのbilibiliをメイン媒体に選定することが多い。みたいなイメージを持って頂ければ幸いです。

以上が、中国の簡単なネット事情です。

「それでは、中国人は日本のクリエイターのことなんて知らないんじゃないの?」

と思われるかもしれません。
しかし、答えはNoです。

めちゃくちゃ知られています。
それは、なぜか?

理由は、中国にいるファンが「動画に字幕をつけたり、ツイートを翻訳したりして、独自に発信やシェアを行なっているから」なんです。

もちろんこれは、転載や違法アップロードですので、褒められたものではありません。しかも、こういったネット事情を利用して、うまく稼いでやろうとする輩が多いのも事実です。

しかし中には、本当にクリエイターの役に立ちたくて、活動を頑張っているファンがいることを私たちは知っています。
そして、そういったファンの人たちは、クリエイターに直接許可を取ったり連絡をしたりして繋がり、中国での発信担当のようなことをやっている事実もあります。

こういったファンの活動は、中国においてクリエイターの認知度を高め、クリエイターの影響力を増やし、収益化につなげる部分での大きな貢献になっています。

ただし、クリエイターにとって不安な部分もあります。例えば、

本当に、彼らは100%善意なのか?
彼らの仕事のクオリティは誰が担保してくれるのか?
どこまで信用して良いのか?
対価はどのように支払えるのか?

ただし、これらの不安が起こるのは、ファンによるクリエイターの業務代替がまだスタンダードじゃなく、過渡期であるからだと私たちは考えています。

そして近い将来、現存する多くの不安はルールや設備によって払拭され、ファンによる業務代替が一般的になっていくと思っています。

そして世界的に見ても、それが一番起こりやすいのは「日本のクリエイターと中国のファンの間」なのではないかと考えています。

日本のクリエイターは、中国での発信が少ない今でも中国で多く受け入れらていますし、中国のファンたちも既に(少しグレーな形で)業務を代替しています。

だからこそ私たちは、日本のクリエイターの中国進出支援をやっています。
そして同時に、私たちが今やっているサービス内容は将来的にはファンが巻き取っていく領域だと信じています。

ただ今はまだ、中国のファンが協力してくれるからと言って中国進出を始めたいというクリエイターはまだまだ少ないでしょう。

それは、信用の問題やクオリティの問題、対価支払いのルールの整備、コミュニケーションの問題、など本当に多くの課題が存在しているからです。

だから、時代と時代の架け橋の様に、「来るべき未来」と「現在」の乖離している部分をOLPの存在で繋ごうとしています。

少しだけでも私たちが見ている未来を共有してもらえたでしょうか?

では最後に、将来的なOLPの事業ドメインについて軽く触れて終わりたいと思います。
それがなくては、「今OLPがやっているサービスはファンが代替していくのであれば、OLPは将来的にいらなくなるの?」という不安があると思いますので。

それでは後少しだけ。

OLPの将来的な事業構想

簡単に言ってしまうと、OLPの将来的な事業ドメインは大きく2つになります。

  1. ファンが対応できない、クリエイターの周辺業務の代行

  2. クリエイターとファンを繋ぐプラットフォームの運営・ルール整備

1に関して、現在既に仮説検証を行なっております。

私たちがクリエイターに提供しているサービスの中には、ファンによって代替可能なもの(提供者がOLPである必要はない)もあれば、不可能なものもあります。

この辺りは、近い将来に経験やノウハウが溜まったOLPにだからできる明確な線引や意思決定があると思っておりますので、今は目の前のクリエイター支援・貢献の最大化に注力するともに、常に将来ドメインを意識した組織運営を行なっております。

2に関しては、今後注力していく領域になっていきます。

ただし、こちらに関しては慎重なプラットフォーム設計やルールの整備が必要である上に、クリエイター・ファンの両者がこのNoteで話してきた「ニュースタンダード」を受け入れたタイミングでしか実現しないことであるため、常に参入の様子を伺っている状態です。

ですので将来的には、私たちにしかできないクリエイターの業務をOLPが巻取り、それ以外の業務をファンが巻取り、クリエイターとファンのマッチングやその環境の運営をOLPが行うという形を実現したいと考えております。

そしてまた、この形こそが新時代のMCNになるのではないかと考えています。(もうそれはMCNではないかも知れません。)

そして、そのニュースタンダードをOLPが牽引していければ、日本のクリエイター、ひいてはこの業界、ひいては日本全体に最大の貢献ができるのではないかと考えております。

これが、私たちOLPが見据えているクリエイターにとって理想の未来像であり、その未来の実現のために今のOLPの事業があります。

このNoteを通して、少しでもOLPのことややっている事業の意義を理解してもらえたら嬉しいです!

長い時間Noteにお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。

ちなみに、将来的なOLPの注力領域であるプラットフォーム構想については、少し長くなるので本Noteでは端的にまとめました。
こちらに関しては次回のNoteでまとめようと思っておりますので、ご興味がある方はぜひまたお読み頂ければ幸いです。

それでは、またお会いしましょう!

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