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夏の始まりの浴衣花火 in 鎌倉

夏が、すきだ。
1年中ずっと夏であったら、と願うくらい夏がすきだ。

照りつける太陽、流れる汗、少し開放的になった服装や、高なる気分。
海にBBQに、かき氷。

それから、浴衣と花火。


そう。今年の夏は、とびっきりのトキメキを運んで来てくれた。


#.colony  #Photoli  #天窓 そして #旅と写真と文章と(通称、旅しゃぶ)

4つのコミュニティーが合同でイベントを開催することが決まったのだ。
しかも「鎌倉の海」で「浴衣」を着て「花火」をする。と言う、なんとも豪華な内容。もともとアクティブなわたし、参加しない理由がないんだよなあ。


4コミュニティー合同だけれど、私たちの船長は絶賛世界2周目中

まさかの船長不在。

そのため、だれか取りまとめる人が必要ということで、各コミュニティーとの連絡係の募集があった。
わたしは真っ先に立候補し、めでたく関わらせていただくことになった。


自分の入っているサロンの自慢になってしまい恐縮なのだけれど、本当にクルーが多才すぎる(もちろん船長は言うまでもない)から、できることが少ないわたしは、何か少しでも役に立ちたいと、常に考えていた。それが、「ただの連絡係」でも、だ。


だって旅しゃぶは、本当にとっても大切な場所だから。

大好きだから、自信を持って大好きと言えるような自分でありたい、なんて。


…と、すごくおおごとのようになってしまったが、実際は企画や準備などの作業は、ほとんど各サロンの代表のみなさんとマネージャーさんがやってくれた。(から、わたしの仕事は、そこで決まったことを旅しゃぶクルーに伝えるだけ、だったのだけど。)


こうして約3週間準備を進め、当日を迎えたのだった。

***

鎌倉駅で浴衣をレンタルして、履きなれない下駄を履き、江ノ電に乗り込む。

カランコロンと鳴る歩幅は、いつもより少しゆっくりで。


東京の通勤列車はこんな感じなのかなあ、とげんなりするような、すし詰めの車内なのに、気持ちはもう海へ向かっていて、ああ、まるで旅をしているみたいね、と。


溶けてしまいそうなほど照りつけていた空は次第に色を変えて、私たちの心を掴んで離さない。


今回のイベントは「写真を撮る」ということも大前提としてあったはずなのに、沈みゆく太陽と、青からオレンジへ色を変えるそれを、わたしはただ見つめていた。


そういえば、わたしは、いつも空ばかり見ていた。ように思う。
今日だけでなく、いままでも。


正直にいうとね、この日わたしは、ほんの少しだけ寂しかったのだ。
魔法をかけたような空の色と、たった数秒だけ灯る花火と、平成最後のちょっとだけトクベツな夏。

そして、輝く笑顔のクルー達。


半年。
伊佐さんが「#旅と写真と文章と 」というオンラインサロンを立ち上げてくださって、震える手で購入ボタンを押したあの時から、半年。



あの時つぶやいた言葉は嘘ではないし、今だってその想いは消えていない。(むしろどんどん増えてゆく)


ただ、少しだけ眩しすぎたのだ。


彼らが最高の顔で笑うのは、きっと自分自身の仕事や家庭のことをキッチリこなして成果を出しているから。


会社員のわたしは、フリーランスが正義で会社員が悪(その逆も然り)だなんてことは、ほんのこれっぽっちも思わないし、わざわざ戦わせることもないと思っている。

仕事や夢に頑張っている人(フリーでも会社員でも)はとても魅力的な笑い方をするなあ、とクルーのみんなを見て実感したのだ。

だから、遊びも全力で。


ああ、わたしって、なんてしょぼいのだろう...と思わず口に出してしまいそうになるのを必死で飲み込んだ。

だいすきな仲間と、胸を張って笑える自分になりたい。

彼らが人を見た目や持ち物、職業で判断することはないと、知っているけれど。

それでも。それでもわたしは、自分を認めてあげられない。


つまるところ、旅しゃぶがだいすきだ。

伊佐さんが、みんなに出会わせてくれた。

だから、大好きなみんなに、胸を張って「大好き」だと伝えられるような自分になりたいと、そしてキラキラ輝いているみんなの元へ、少しづつでも近付きたいと、思ったのだ。


手持ち花火が、1本、また1本と減ってゆく。
打ち上げ花火は、ヒュルリと音を立てて夜空を飾った。
誰もが、‘シメ’の時間だと気付いていた。

巻かれたテープを丁寧にはがして、時計回りに配る。

真ん中にはロウソク。それをくるっと囲むように位置取ったわたしたち。

息を止めて先っぽに火をつける。




線香花火に、祈ることは決まっていた。



ただひたすらに純粋で、たった数秒のきらめきを何度もなんども繰り返し、終わらない夏を願っていた。

読んで頂いてありがとうございます。サポートして頂いた費用は、次の旅への資金にさせていただきます。広い世界の泣けるほど美しい景色や、あふれ出ることばを伝えたい。