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【息子のサッカーを見て、見えてきたこと Vol.43】強度と球際

こんにちは!

息子(小2)が大きな政令指定都市である、我が市の大会に参加しました。

予選グループ7チームを2位で勝ち抜き、何とか決勝トーナメントに進出。先日、決勝トーナメントの1回戦が行われました。

相手は、市内でも有数の強豪チーム。街クラブですが、コンスタントに良い成績を収めているチームです。

試合を見ていて気になったのですが、かなり手を引っ張ったり、ユニフォームを引っ張ったり、「手癖が悪い」選手が多かったと感じます。

結果、僅差で負けてしまいました。もちろん、そうしたプレーが結果に影響を及ぼしたとは言い切れませんが、10分ハーフの試合で、ビデオで確認しただけでも10回近く、上記の様な行為が散見されました。

残念ながら、そのうち実際にファールになったのは1、2回のみ。審判の目の前で引っ張っていても、笛が吹かれない状態です。

プロの試合であれば、イエローカードが出てもおかしくない引っ張り方もありました(ファールは取られていましたが)。

さて、気になっているのは、ボールの取り方において、育成年代でファール(特にユニフォームや腕を引っ張る行為)をして、止めるのを奨励するかと言うことです。

私のポリシーとしては、認めらている範囲内で腕を使って抑える(家長選手が行うくらいのレベル感)のであれば攻撃者、守備者ともに問題ないと感じます。

ただし、これはあくまでも抑えるのであり、引っ張っているのではありません。また家長選手は多くのケースで手のひらは使わず、「腕の力」で相手を抑えています。

個人的に感じるのは「守備の強度≠ファールをする」という点。インテンシティ高く守備をすることは奨励すべきですが、いかに手のひらを使わずに相手からボールを取るか。

押すという行為も手のひらを使って押すとファールになりますが、腕の力であれば、ファールになるケースは少ないのがサッカーの特徴です。

フットサルのトレーニングマッチを強豪クラブと行った際ですが、そのチームではかなり強度を意識した練習をしているそうです。結果的に、引っ張るという行為も散見されました。

彼らは練習中に引っ張ると言ったことを日常茶飯事で受けており、そうした中でも攻撃を続けるということができているため、強度が上がっているという事実はあると感じました。

ただし、守備者の守備技術は上がらないという面にも目を背けてはいけません。ファールをせずに守備の強度を上げるか、ここは指導者の一番難しい部分と言えそうです。

テクニカルファールと言う、戦術的なファールがありますが、それは育成年代の後半からで良い気がします。まずは正当に相手を止める技術を高めてほしいと切に願っています。

少し話が変わりますが、日本で良く聞かれる言葉が「球際を強く」と言う点です。私も日本のサッカー文脈の中で生きてきて、よく使ってきました。

あるJクラブは選手に求めるフィロソフィーとして「球際」をあげています。

ただ、ブラジルの育成年代の子を日本で見る機会があり、概念が少し変わりました。ボールを取るためにはボール際(球際)でガチャっと強くいくのは当たり前だということです。

幼少期よりボールを取るために強いコンタクトで行くのはブラジルだけでなく、実際に訪問したデンマーク、ドイツ、ポルトガルでもU10くらいでは当たり前の動きでした。

日本人は言わないと遠慮して強くいけない(我々の文化や美徳という価値観からも)環境なのかも知れません。ボールを奪いきるために良い体の向きや角度で相手に強くコンタクトをする。

これこそが強度だと思いますし、その際にボール保持者はハンドオフをして腕で領域を確保する、守備者は引っ張るのではなく、腕でコンタクトするというのが指導者の求める姿であると考えています。

日本代表キャプテンの遠藤航選手の守備が参考になります。ブンデスリーガでデュエル王ではありますが、決してラフプレーヤーではありません。

178cmの日本人があそこまで守備を強く出来ると言うのは、子どもたちの良いお手本になります。

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