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「子どもがいない人」はエラーなの?

「子供がいない人は問題がある」というタイトルに、この時代にこのタイトルはさすがにヤバいだろと思いました。

記事はルポライターの記者さんが、大手メディアの記者で40代男性の井戸さん(仮名)にインタビューして書き起こしたものです。つまり「子供がいない人は問題がある」という主張はこの記事を書いた記者さんの意見ではなく、インタビューをした井戸さんの意見になります。

井戸さんは「子供がいない人はエラー値である」と言いつつ、

「エラー値がいくつもあったほうが、結果としての出力は豊かになる。結果だけ見ていると、子供を作らない人は“無駄”に見えるけど、そんなことはない。

と、なんだか色々言って「エラー値も必要」とぼやかしています。恐らく「エラー値」というパワーワードを思いついて、どうしても使いたくて論旨を組み立てた結果、こうなったんだろうなと思います。

いずれにせよ、子どもがいない人を「エラー値」だと言ってしまうのは非常に不愉快。エラー値が無駄じゃない、なんてエラー値扱いされたうえ、上から偉そうに認定される筋合いだってないわけです。

なぜこんなに不愉快なのかと言えば、優生思想を彷彿とさせるから。

▶ 優生思想は本当に危険

ホロコーストの事例を持ち出すまでもなく、優生思想は非常に危険です。

人間に優劣をつけて、劣っている遺伝子を排除しようとするのが優生思想です。

「いやいや、『エラー値』も無駄じゃないって書いてあるよ」と思うかもしれませんが、「子どもを産まない」という選択をしただけで「エラー値」扱いされています。つまり優劣の「劣」扱い。こうして人を優劣に分類すること自体が、優生思想のスタートラインだと思うのです。

この論旨を支えているのが「人間は子供を作って当然」という思想です。
一見「まぁ確かに…」と思いそうですが、これ、本当にそうでしょうか?

人間の性的指向って、時代によっても様々で、同性愛が当然だった時代や価値観もあると言います。そして、いまこの時代は様々な性のあり方を認め合い、尊重し合おうという時代。

色々と歴史を学んでいると人間の価値観って、性の問題に限らず、死生観も社会観も、「本来の価値観」なんてのはわりと脆弱なものだと思えてきます。つまり、社会の価値観や育った環境でいとも簡単に価値観を変えてしまう。この「柔軟性」のほうが「人間は子供を作って当然」と言うより本質的な気がします。

べつに科学的根拠があるわけじゃないので、もしも「人間は子供を作って当然」が科学的根拠に基づくものだったとしても。以下の2点において受け入れられなさを感じます。

① 子どもを産まない選択をしただけで「エラー値」と言ってしまう思想が、優生思想を彷彿とさせて不快だしヤバい。
② 多様な選択を認め合おうという時代において、「子どもを産むのが当然」と言い切ってしまう感覚がダサい。

インタビューに答えている井戸さんはかつて「子供を作るのはダサい」と思っていたそうだが「子供がいない人は問題がある」という考えにアップデートされたことで、よりダサくなってると思うのは、僕だけだろうか??

では、また。


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