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毎日の「5分」を馬鹿にしない

今年に入ってから、毎日続けていることがいくつかある。

・本を読むこと
・書くこと
・ベースを弾くこと
・音楽を聴くこと
・ランニングをすること、筋トレをすること
・英語の勉強をすること
・なにか考えること
・新しいことを1つ知ること
・アイデアを1つ考えること
・ポケモンの色厳選をすること

他にもいくつかあるが、約半年間これらを毎日続けている(途中で足していったものもあるから、半年より短いものもある)。

これらを継続するようになったのは、井上新八さんの『続ける思考』を読んだからだ。
井上さんはブックデザイナーとして本のデザインをされている。なんと、年間数百冊の本を手がけるという。
そんな多忙にもかかわらず、毎日やる習慣が何十もある(その多くが、仕事には直接かかわらないことだから驚きだ)。
『続ける思考』には、多忙な井上さんがなぜ習慣を構築し、継続できているのかについてこと細かに紹介されている。

社会人になり仕事をするようになれば、学生の頃に比べて自由な時間は少なくなる。
その代わりに、収入は増える。
あれもやりたい。これもできる。想像は膨らむ。ただひとつ、条件が付く。それは「いつか」ということだ。
私自身、その「いつか」を色々と考え続けてきた。
バケットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)は増えていく一方。しかしできたことは意外に少ない。
そして、時間ばかりが過ぎ去っていく。
やろうやろうと思って、気づけば10年以上が経っていることもあるのに気づいて、愕然とした。

頭の中にはいつも根拠のない妄想が広がっている。
いつか時間ができるだろう。いつかやりたい気持ちがたかぶって本気でやるだろう。
しかし、自分でも薄々気づいている。一体いつになったらその「いつか」はやってくるのだ?

時間はあっても(それでさえ、いつ死ぬかなんて誰にも分からない)、体力や記憶力は少しずつ衰えていく(人生100年時代というけれど、物理的にやりたいことができる時間は本当に100年なのか!?)。

そして私たちには完璧主義の誘惑がある。
好きなことをやるんだったら、ゆっくり、落ち着いて、時間をかけてやりたい。ただ残念ながら、そんな時間は永遠にやってこない。

それなら、いつだったらできるのか。
「今」である。
完璧主義を捨てて、5分だけでもやってみる。それしかない。

先述した私が5分だけでもやっていることを、少し紹介してみたい。

⚫︎本を読むこと
本当は、1日に3時間でも4時間でも本を読んでいたい。できれば、毎日1冊本を読めたら最高だ。ただ、そんな時間は当然ない。
どんなに長い本でも、毎日数ページでも読んでいけばいつかは読み終える。通勤時間、ちょっとした休み時間など、本を読む時間はある。

⚫︎書くこと
実はこれが一番古くからやっている習慣である。人には見せていないが、毎日文章を書いている。もう700日以上継続している。

⚫︎ベースを弾くこと
楽器の練習は難しい。1日すごく練習しても、2、3日練習をサボれば手の感覚が元に戻ってしまう。毎日何時間も練習すればとても上達するのだろうけど、もちろんそんなに時間はない。
5分だけでも楽器に触る。1小節も進まないこともある。だけど、少しずつ1フレーズでも弾いて覚えていく。
これで少なくとも、手の感覚が元に戻るということはなくなった。

⚫︎音楽を聴くこと
音楽が好きで、学生のときは勉強するときでも音楽を聴きながらやっていた。当時は音楽を聴くのに努力は要らなかった。
しかし、今は違う。意識して聴こうとしなければ聴かない。とりあえず耳にイヤホンを突っ込む。そしてスマホの再生ボタンを押す。

⚫︎ランニング、筋トレ
家の周りを一周だけでも走る。1回でも筋トレできればOKとする。
はっきりいって、これで痩せられることはない(実際、体重は減っていない)。それでも、続ける。
ランニングウェアに着替えて、シューズを履くのが面倒な日は、チートも使う。
最寄駅の一駅手前で降りて、普段着のまま走る。カバンが重かろうが、革靴が擦れようが関係ない。一度家に帰ってから走ろうなんて考えていたら、絶対にできないからだ。
しかし、運動していなかった世界線では、今より太っていることを考えると恐ろしい。

⚫︎英語の勉強をする
自宅から駅まで歩く間に、リスニングを聴く。毎日1ページ、文法の本を読む。

⚫︎なにか考える
考えることは色々ある。不安に思っていることを書き出したり、読んだ本についての考察を書いたり。とにかく日常が惰性にならないように、頭を動かす。

⚫︎新しいことを1つ知る
ニュースなどを見て、初めて知ったことや面白いと感じたことを手帳にメモする。
毎日多くの情報に接しているが、それらはすでに知っていることだったり、自分の興味があることに偏りがちだ。
自分が知らない世界のことを知る。一人よがりになるのを回避する。
そもそも、知ることは楽しい。新しいことを知れば、今日は昨日と少し違った日になる。

⚫︎アイデアを1つ考える
新しいことを知ったら、それを自分の仕事に結びつけられないかや、もっと面白くできないかと考えてみる。
これはなかなか難しい。すぐにありきたりなアイデアやすでにあるものになってしまう。毎日続けていると、自分の思考の傾向もわかってくる。

⚫︎ポケモンの色厳選
ポケモンのゲームには、ポケモンと出会い、戦って捕まえるというプロセスがある。
その際、8192分の1の確率で、色違いのポケモンに出会うことがある。
色違いのポケモンを捕まえるために、毎日厳選をしている。ゲームを起動して30秒ほどの操作。くじ引き感覚でやっている。

ちなみに、宝くじの一等に当たる確率は、くじの種類にもよるが17万分の1~2000万分の1と言われている。
私は、毎日ポケモンの色違いをくじ引きしているが、一向に出てくる気配がない。
いわんや、宝くじをや。

上記のことを毎日やっているが、これらをやったからといって人生が劇的に変わることはない。
しかし、一つだけ変わったことがある。
それは、他人を気にしなくなったことだ。
もちろん、なんでも自分勝手にできるようになったわけではないが、少なくとも他人は他人、自分は自分と割り切れるようになった。

どんなに忙しい日でも、自分で決めたことをやらなければならない。
つまり、暇がなくなって他人のことを気にする時間がなくなったということかもしれない。

不思議なことに、静かな自信みたいなものも身に付きつつある。
誰かに自慢したり、誰かから賞賛されたりするような自信ではない。
文字通り、自分が自分を信用できる自信だ。

疲れ切ってなにもしたくない日も、体調不良の日もある。
それでも、本を開き、走り始め、ペンを持ち、ゲームの電源を入れる。
それを続けることが、自分に対する疑いの気持ちを和らげ、これでいいのだという納得感をもたらしてくれる。


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