年間ベスト2023
総括
はじめに
来年からは某楽器店勤務です。来年以降はたぶんギターを売るということから、音楽の趣味がまた変わるだろうと思いつつ、記録として短めながらも今年の年べスをお送りします。
今年は「#1日3アルバム開拓」と銘打ち、夏ごろに結構「頑張って」音楽を聴こう、文章を書こうとしていましたが、やはり正直あれを維持するのは私には不可能でした。あれはキツいというか、あまり健康的な聴き方ではなかったな、と振り返って思います。とても味わえるようなペースではなくなってしまっていたし。
しかし、無理やりにでも毎日新しいアルバムを探す、そして自分の趣味をちょっとづつ広げる、自分の中でのアーティスト系統樹の形成がだいぶ進んだ感じもあって、間違いなく効果がありました。
皆さんご存知の方だと思うので、わざわざここでお名前挙げる必要がないとは思いますが、柳樂光隆先生の記事が大変参考になりました。UK界隈だとEzra Collectiveくらいしかほんとに知らなかったけれど、そこからPYJÆNとかAshely Henryとかに行けたのは記事を読んだからな気がします。(完全に余談ですが、PYJÆNの『夕焼けミルクティ』のゲストボーカル誰なのか全くわからず年を越しそうでもやもやしている)
ようやく「ジャンル掘る」とか「似た編成のバンド探す」みたいな思考で音楽を聴くおもろさに気が付きつつあるので、来年以降も続けたい次第です。
ライブ等
今年は例年比でかなりライブに行った年で、それこそ蓮沼執太フィルも観れたし、
初めてバンドの解散公演というものにも立ち会いました。やっぱりさみしいものです。Bonobos。
あと、地味に初めて神宮球場で乃木坂46を見ました。アンダラも観ました。神宮は想像通りによかったし、松尾美佑さんは纏うオーラが異質過ぎて度肝を抜かれました。来年の新曲はもうちょっと期待。
何より、今年はtoconomaのライブに都合三回行っており、年始のBIGCATと夏の渋谷HOMEと野音公演どちらも行きました。改めて、どんなキャパでも「平常運転」をぶちかます様子を見て度肝を抜かれました。やっぱり野音は個人的にはSPECIAL OTHERSのイメージが強くて、スペアザの作るリラックス空間としての野音も最高ですが、ダンスフロアにしちゃうtoconomaもいざ目にするとすさまじかった。最高でした。
来年はSnarky Puppyのチケット取れてるので、とにかくそれを生きがいにして春先まで生き延びようと思います。
年間ベスト
年末までに全アルバムの感想を書ける気しないので、一旦タイトルだけ並べたものを。随時気合があれば追加します。今年以外の曲も聴いていたけれど、一応2023年リリース作品縛りです。(思いつくものから並べたので、順番は順位でもリリース順でもないのであしからず。)
蓮沼執太フィル - symphil
前作までの「蓮沼執太作品を生演奏で再構築する面白さ」というより、より氏のソロ作品の延長線上に置かれた作品だと感じた。心地よく生演奏に身を委ねるだけではなく、緊張感もあるアルバム。
演奏家がそこにたくさん居るということや、リアルタイムのアンサンブルが伝わってくるということと、一方でPC上で演奏を編集する、加工する面白さが別ではなく、シームレスに融合しているところが好きなポイント。
蓮沼執太 - unpeople
挾間美帆 - Beyond Orbits
Cory Wong - The Lucky One
今年のSpotifyまとめによると、私のアーティスト別再生時間ランキング2位はCory Wong(ちなみに1位はVulfpeckなので実質ワンツー独占)だった。例年と比較してここまでCory Wongに惹かれたのは、多分ホーンセクションの景気の良さで、暗い曲を聴いてられるような精神状態ではない日が多かったからだと思われる。
本作に限らず、Cory Wongにはめちゃくちゃ今年助けられた一年。ありがとうCory Wong。
上原ひろみ - Sonicwonderland
音楽に限らず、説明を簡単にしようとすると、ごまかさないといけないところがあったり、悪気なく嘘をついてしまうことがあると思っているが、そうした「ごまかし」が一切ないように感じる。
親切なアルバムではあるけど、本域のプレイ。正直、全国の小学校の音楽室においてほしい。人に薦めるという意味では今年のベスト。小学生とかの時に出会いたかった。
パソコン音楽クラブ- FINE LINE
このアルバムも、先の上原ひろみ氏の『Sonicwonderland』と同じ感想である。親切なアルバムではあるけど、本域のプレイ。みんな大好き、言わずもがなの名作である『See-Voice』は少し私にとっては難解で楽しみ切れなかった節があるけれど、今作は本当に、楽しい。
個人的に気に入ってる例えで言うなら、「めちゃくちゃ口当たり優しくて、ガバガバ飲んでしまったけど、たぶん度数強いっぽい酒。ちゃんと酔いました」。
Sam Wilkes - DRIVING
Kaidi Tatham - The Only Way
Nick Campbell Destroy - Live For The Highest Bidder
John Carroll Kirby - Blowout
幽体コミュニケーションズ - 巡礼する季語
in the blue shirt氏が本作のリリパ出演するということで、初めて聴いた。楽曲ももちろんだけど、ライブ中、iPhoneでおそらくGarage Bandを操作しながらパフォーマンスしていく様子や、メンバーの纏う雰囲気に圧倒された。
どうやら、ウ山あまね氏などと近い界隈に居るようで、やはりここ最近のイケてる音楽はPAS TASTAに通づるんや…という気持ちになった。
King Gnu - THE GREATEST UNKNOWN
既発曲含めて、すべて意味のある配置。King Gnuここに極まれりという感じ。単発配信シングルサブスク大時代において、アルバムを聴くような人間はきっとファンか物好きで、そうした人間ならちゃんと聴いてくれるよね!という信頼の元に作られたのが伝わってくる。
難しい議論を始めればツッコミどころもきっとあるんだろうが、一旦それはさておき、世界観の統一含めて私は大変好き。
KNOWER - Knower Forever
どうやら6月にBandCamp等でリリースされていて、サブスクに降りてきたのは冬になってからだったようだが、全く気付いていなかった。サブスク以外も張らなきゃいけない…。
徹底してLouis Coleでやっぱりこの人は癖が強い。このLouis Coleワールドを受け付ける人にはめちゃくちゃハマる(私はこっち)けど、そうじゃない人はだいぶ面喰うでしょう。こちらは親切じゃないところが良いアルバム。
全然知る人ぞ知るではない人だけど、お茶の間まで浸透しているかと言われたら、そうではない。しかし、日本で全然「国民的」になれる方だと思っている。
星野源『Mad Hope』とかをきっかけに、来年はお茶の間でLouis Coleが鳴ってるヤバい国になってほしいと願っている。まずは「DayDay.」。
bohemianvoodoo - CROSSING
Woody Goes - High Loon!
Vulfpeck大好きで、特に『A Walk to Remember』や『Radio Shack』あたりが好きなのだが、これらの楽曲を作ったのがWoody Goss氏。淡いオルガンとミニマルファンクらしいビート。最高。
Vulfpeck関連聴きすぎて、Vulfpeckの息がかかった音楽しか受け付けなくなりつつあるので、来年はもっといろいろ聴こうと思う次第……まずい…
Cory Wong - The Power Station Tour (West Coast)
今年、自分の中でプチライブ盤ブームが起きており、シンプルにめちゃくちゃ聴いていた。Cory Wongはライブ盤を出すのに積極的だが、「景気のよさ」では本作が一番。『Starting Line』の大団円感は、ベタだけど「これでええんや…」という気持ちになる。
P.S. Dirty Loopsとの共作、『Hästråtta』もめちゃくちゃ聴いていました。
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