感覚のキャッチボール
マンツーマンのクラスでも、グループのクラスでも、お客さんとの間で大切にしたいことが感覚をキャッチボールしあうこと。
動くことのきっかけになるのは、五感を通してその感覚に気づくこと。どんなことがその方のスイッチになるかな?と思い浮かべたり、終わってから今日はどうだったのかなと振り返ったり。
クラス全体をどうするのかも大切だけど、同じくらい何から始めるのかも大切だなと感じています。なぜならそれが感覚をキャッチしてくれるミットを差し出してくれるかに関わるから。
今はオンラインのクラスなので、いくら画面に手を指し伸ばしてもお客さんに触れることはできません。(でも差し出してしまうことしばしば。笑)理学療法士が患者さんに触れない日はないし、ピラティスの先生もそうだと思います。このタッチをどう生かしていくのか、使っていくのか、改めてこの環境になって感じることがありました。
振り返ると、若かりし頃、患者さんに感覚が伝わらないとなんでこの人はわかってくれないんだろうと思ってしまっていました。今考えると恐ろしいですが、患者さんを自分の思い通りにしたかったのでしょう。
今はお客さんの身体に触れるとき、「今、こうしてみようと思うんだけどどう?」「あ、こっちの方がわかる?」とキャッチボールをしている気分です。
「これだとこういう感じがする」とおっしゃってくれる方や、言葉にはなくてもにこっとしてくれたり、眉毛がぴくっとしたりしながら動作のクオリティが上がっていく。そのレスポンスがうれしくてニヤニヤしていると、先生はきついことをさせてうれしそうと言われてしまいますが、きついことをさせてうれしいわけではないのです。(笑)
この過程の中では、まず感覚をキャッチしたときに脳に向かって感覚神経が情報を教えてくれます。その情報を脳がキャッチして、運動神経にこう動いてみて、と指令を出してくれます。これを繰り返していくと、その方にとってよい動きを覚えてくれるスピードが、ただ動作を繰り返すトレーニングよりも早く感じます。
この過程が進んでいる方は、オンラインで口頭で説明をしている中でも、私が言っていたことはこういうことなんですねとおっしゃってくださいます。
この形式でも気づいてくれるってことは、今まで不必要に触りすぎてたのでは??とも思います。
今日言いたかったこと、最近感じていることをまとめると、ピラティスをやっている中でも先生がこう言っているからこうしなきゃということよりも。言葉を聞きながら動いたら、お、なんだか身体がこう言っているぞとか、こっちはなんだかたいへん~と自分とやり取りしてほしいということ。
オンラインで自分がレッスンを受けると、人の声に導かれて動く気持ちよさや、連れていってくれる道先が面白いなと感じます。オフラインとはまた違った味わいもあるのかも。あともう少しその味わいを楽しみながら、直接お会いしてクラスができる時を待ちたいと思います。