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女性ファッション雑誌キャッチコピー解説ーその2ー

不定期で女性ファッション誌に登場するキャッチコピーやボディーコピーの中でいいなと思ったものを選び、そのよさを紹介していきたいと思います!

コピーライターといえば、通りすがりの人の目を引くようなフレーズやわかりやすいショートセンテンスを作る人のことを思い浮かべる方も多いとは思いますが、実は「いい言葉を書く力」と同じくら「いい言葉を選ぶ力」も同じくらい重要なのです。

そこで「いい言葉を選ぶ力」を鍛えるために、最近こちらのアカウントの運用を始めました↓

こちらで紹介しているものの中で学び深かったコピーをご紹介させていただきたいと思います。

今回は2021年2月号のarとVERYに掲載のあったコピーやボディーコピーを4つご紹介いたします!

まずは2021年2月号のGISELeから1つご紹介いたします!

No.5

いろんなところに着がまわる

明日も着たくなる昨日の服。
そして配色やシルエットなど組み合わせも自分が好きな、
落ちつくパターンのの方がむしろいい。
ただそこににちょっとした工夫や変化を加えてワクワクしたい。
まわるか、まわるかのその前に。繰り返し着ているのは好きだから、というより好きだから。
よく着がつく、着転がきく。そんないい働きをする服も埋もれさせず、さらにキャリアアップさせていくあたり、考えうる効果的な手立て。
その日その日気分で「こう着たい」に無駄なく対応するワードローブの結論。
たびたび・着るたびに。
着ている服にもっと自信が持てる、新しいサイクルへいざないます。

「気がまわる」と書かずに「着がまわる」と表現している点が1つのレトリックです。

着回しと聞けばもう聞き飽きたフレーズですが、着がまわると言ってしまえばちょっぴり新しいもののように感じます。
周りから見たら小さな変化も、自分にとっては大きな変化になることも十分ありえます。
世の中的には服を買って1年経ったら捨てて買い換えるという価値観の人も少なくないそうです。
この号のGISELeはそういった価値観から1つの服を長く着る価値観にシフトするかしないかの人寄り添って、自分のスタンダートとなるアイテムを見直す機会を提案しているように思えます。

「昨日の服」「落ち着く」「繰り返し」のような保守的なフレーズに、「ワクワク」「キャリアアップ」「ワードロープ」といった変化に富むようなフレーズを隠し味で添えると、何だかそれだけで新しいことに取り組めそうな、そんな気分になれますね。

No.6

小さな隙間は黒で埋める

よく繰り返すスタイリングがぼやけて
見えると感じたら、小さく黒を取り入れると
見違えることも。引き締まることはもちろん
今までにないカラーブロックも堪能できる。

ビジュアルとしては、スカートとシューズの間を黒いロングソックスで埋めましょうという提案でした。

ファッションとしての提案としても実用的ですが、概念としてもいい切り口だと思います。
カレンダーの予定はもう鮨詰め状態で、そうでなくてもやることが山積みになっていて、寝る直前までなんだかんだ稼働してしまっているのではないでしょうか?

1日の中で輝く時間があるからこそ、自分のタイムテーブルの中でたまには真っ黒に塗り潰すような時間があってもいい、そんなメッセージ性を孕んでいるような気持ちになりました。

黒塗りした時間はムダな時間で、非生産的かもしれません。
でもそのワンクッションを踏むことによってほぐれる何かがあるような気がしています。

No.7

モノトーンにあたたかみを

配色だけでからくりに仕上がる黒×白は
ニットやウールなど旬のあったか素材に絞り、
「穏やかなモード」を実現。タイトめな黒ニットを選び、
綺麗な印象の中でモノトーンを今に更新。

このフレーズ自体が新しい価値観に思えました。
モノトーンってどこか冷たくて、かっこいいイメージがあるように思えますが、素材を変えれえば印象が変えられるというのは、実践的でかつ機能的なコピーだと思いました。

No.8

「無邪気な黒」を試してみたい

ツヤのあるスカートならドット柄もクールに保てる。
モヘアのふんわり感を相愛なサテンでドット柄スカートを起用。
キャッシュな柄も、黒ベース&白ブーツのエッジを足してやぼったさを回避

入社式の集合写真、結婚式の新郎側の友人が揃った時の集合写真をイメージしてください。
男性の場合、節目のイベントでの服装は昔ほどではありませんが暗黙の了解があり、大体に似たような格好になりますが、同じようなカラーバリエーションになることはあっても、同じになることはありません。微妙な素材の違い、体つき、表情といった個人によって違うささやかな違いでその人の印象に違いが生じるため、同じにはならないのです。

普段着においては、色味だけでコーディーネートを思案しがちだと思いますが、色の表情の違いを使い分けるという視点は、ファッション雑誌ではよく見られる表現ですが、日常で思い浮かべられるようになると、小さな違いが楽しめるようになれそうですね。

今回は以上です!

不定期にご紹介していきますのでお楽しみに!


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