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私がガイナーレ鳥取の戦術分析を始めた理由

久しぶりの投稿です。

ここ最近、Jサポの方々が自身の応援しているチームや欧州主要リーグの試合を分析、解説されている記事を目にする機会が急激に増えたように感じます。

Twitterやnote、ブログなど形式は様々で自分もこれら3つを駆使して発信している身ですが、ここで投稿を始めたきっかけって何だろう?と、ふと考えることがありました。そこで、これまでの経緯を一度まとめておこうと思った次第です。

私が戦術解説ブログを投稿し始めた主なきっかけは、2017年から2018年におけるガイナーレ鳥取のチーム事情と徳島ヴォルティスの観戦環境にありました。

まずはガイナーレ鳥取についてですが、2017年からチームを率いていたのは森岡隆三氏。選手時代は鹿島、清水、京都を渡り歩き、日韓W杯への出場経験もある名選手でした。そして、引退後は京都、佐川印刷京都、京都U-18で指導者の経験を積まれ、2017年にガイナーレ鳥取の監督に就任。晴れてJリーグクラブの監督に初挑戦となったのです。

ただ、2017年は開幕直後の期待感とは裏腹にシーズンを通して非常に厳しい結果となりました。得点力に悩まされ、ほぼ毎節失点を重ね、最終的に前年の15位を下回るJ3最下位と不名誉な記録を打ち立ててしまいました。ただし、前年度の時点で例の方にチームをめちゃくちゃにされてしまったので、後処理を任された1年と解釈すれば森岡監督が気の毒としか表現のしようがありません。(気になる人は調べてみてください)

一方、自身の進学先の関係で2015年から徳島ヴォルティスも応援し始め、スタジアム通いをするようになっていました。月日が流れ2017年、スペイン人のリカルド・ロドリゲス監督が就任しポジショナルプレーを実践。就任から開幕直前までわずかな準備期間にも関わらず、J2で新風を巻き起こした衝撃は今でも忘れられません。

しかし、魅力的なリカ将サッカーを理解しようにもそれを難しく感じている自分がいました。戦術的な概念を断片的に解説されているサポーターの方のツイートを拝見し、サッカーの戦術に興味を持ち始めた時期でしたが、リアルタイムに観戦している試合ではピッチの中で起きている事象や変化を瞬時に把握する力が無かったのです。そんな矢先、一つの戦術解説ブログに出会いました。

後の師匠となるC&D氏 (当時はひとりごつたぬき氏) の“ヴォルレポ”です。(一方的に師匠と呼んでいます)

今まで何となく脳内で渦巻いていた抽象的な概念が、言語化されたヴォルレポを読むことでピッチ上で起きたプレーを具体的な現象として捉え、解釈を深めることができるようになりました。偶然にも最も身近で応援しているチームを対象とされていて、C&D氏やブログとの出会いが自身のサッカーの楽しみ方のレベルをより一層引き上げてくれました。2017年を境に戦術クラスタ沼にはまりその手のブログを読み漁る日々が続きました。

そうこうしている間に2017年シーズンは終わりを告げ、次のシーズンが開幕。ガイナーレ鳥取に話を戻すと、2018年シーズンは森岡監督が継続して指揮を執り、開幕から6試合負け無しで首位に立つこともありました。ですが、勢いのあった攻撃が急に陰を潜め、再び失点を重ねる敗戦が続き、昨年の悪夢が頭をよぎります。前年とは違い戦力も揃いつつあったので、森岡監督も説明が難しい状況となってしまっていたのです。

そこで、ガイナーレの攻撃が上手くいかない理由や大量失点の原因を知りたかった。選手個々に焦点を当て言及をされているツイートはよく目にしたものの、自分が欲していたのはチーム全体の戦術的な解説でした。したがって、戦術的観点から詳細な解説をされている物好きな方はいらっしゃらないかな?とヴォルレポのガイナーレ版を探したのですが、流石は人口最少県。見つけることができませんでした。となれば、答えはひとつしかありません。

無いものは作ろうと。

戦術クラスタの仲間入りをしようと。

理系的な思考から自分で戦術解説ブログを立ち上げようと決心しました。今までの読者の立場から発信する立場として。

そして解説記事の初投稿となったのは第11節の富山戦でした。

結果は2-3でこの日も複数失点による敗戦。昨年や直近の試合でも気になっていた失点シーンにポイントを絞り記事を投稿しました。今見返すと浅い内容で怪しい説明もありますし、敬意もやや欠けているように思えてチームに対して申し訳ない気持ちもあります。ただ、記事を投稿したこと自体に関しては後悔していません。

最初は上手く言語化できなくて当然ですし、自分なりに言葉で表した過程の方が最も重要で、発信することで答え合わせや他人との議論が可能となるなどメリットの方が大きいと考えるからです。

また、ブログを読み漁っても知識や分析ノウハウが追い付いていないため、インプットの時間をさらに確保してサッカーを勉強する必要が出てきました。その関係で海外サッカーを観る機会がぐんと増え、現代サッカーの発展の度合いに驚かされるばかりでした。でも、その時間が楽しくて仕方ない。

実際の試合で何が起きているのかを自分なりに解釈しながら観戦する力がちょっとずつ向上しているのが自覚できました。例え確信できていなくても、注目度が元々高かったり戦術クラスタがついているチームの試合の場合は答え合わせもできるので非常に勉強になります。

その甲斐あって、noteから他のブログに場所を移し、内容はまたまだ未熟ですが解説ブログを続けることができています。

Twitterのタイムライン上で「サポーターが“サッカー”を知らないと文化になりえない」という仮説を立てている方がいました。自分は肯定派です。徳島ヴォルティスを例にとれば、リカ将の監督就任とヴォルレポの開設時期が重なり、徳島サポーター間を始め、他のサポーターの間でも注目を集めて戦術の議論が活発になりました。そして徳島サポーターのサッカーの見方、関わり方に変革が起こったように感じています。

このような現象が多くのガイナーレ鳥取を取り巻くサポーターの間でも起きればいいなと。分析とか難しいことまでは…といった方でも、頭の片隅にちょっとした知識や見解を一つ入れておくだけでサッカーの世界観が広がります。具体的には気になる選手の隠れた良いプレーを探す楽しみだったりそれに対して称賛できたり。また、この記事を読んで自分も分析してみようかなというサポーターの方が一人でも増えると嬉しいです。(自分が参考にしている方々のリストを貼っておきます)

最後に、ガイナーレが本当の意味で文化となれるように。この目標をモチベーションに変えて、戦術分析ブログの投稿をボチボチ続けていこうと思います。