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実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス (日本経済新聞出版)

「ざっくり分かるファイナンス」、「道具としてのファイナンス」の石野さんが、久しぶりに本を出版されるという情報を目にして購入読了。

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内容としてはファイナンスの基礎について、説明している。具体的には、利益とキャッシュフローの違い、WACC、NPV、IRR、EVA等の基礎概念を一般ビジネスマン向けに説明している。

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説明の仕方が非常に懇切丁寧で面白い。例えば、株主の権利は最も劣後するため守られるべきと巷の教科書では説明するところ、本書では株主の残余持分は流しそうめんのようなものであり、サプライヤー、従業員、国が税金を徴収した後となるため、株主にはそうめんが流れてくる時もあれば流れてこないこないこともある、と説明している。

著者の石野さんやその他の方のファイナンス教育のお陰で日本のファイナンスに対する理解は飛躍的に高まったと思う。

僕も大学生の時に著者の本を読み、興味が持てたので、経営学部のコーポレートファイナンスの授業を取って勉強した。

このようにファイナンスの理解は一般ビジネスマンでは進んでいると思われるが、多くの日本企業の実務では、投資の意思決定を見る際に、分かりやすさからか、今でも「回収期間法」が一般的である。IRR、NPVが主流派になるのは、あと5年くらいかかりそうだ。

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最後に、本書で概念を勉強したら、同じ著者の「道具としてのファイナンス 問題集」がお勧めである。理論だけ勉強しても手を動かさないと計算できるようにならない。手を動かせるようになると、実務でも使えるようになり、正しい意思決定が行えるようになる。


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