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障がい者アートを支援する-2

#10:デザイン/絵が好き? 嫌い?

私がアート制作をサポートしているのは「絵を描いたことがない」または「描くのは小・中学校以来」といった人たちです。たしかに実際に絵を描いてもらうと言葉が悪いのですが子供たちが描いた絵と変わりありません。

前回の記事
・障がい者アートを支援する-1/問題を明確に


■得意・不得意を記録する
積極的に絵を描いたことがない人に絵を教えるのは大変です。年齢や性別、障害の種類や重さに関係なくフラットに評価するために簡単な表を作ってみました。これをもとに支援方法を考えてみます。

得意・不得意、向き不向きを記録する
どの段階にあるかでサポート方法が変わる

好きか嫌いか
絵を描くのが上手下手好き嫌いというのは別の問題だと思います。ただ描くのが下手だから嫌いというのはあります。逆にいえば上手になれば好きになるかもしれないということです。
上の表を月に一度内容を更新し、技術の向上や好き嫌いを判断します。それを元に新たな課題を与えます。

■まずは好きになって欲しい
絵を描くことも勉強やサッカーなどのスポーツと同じように好きだから上手くなりたい、苦手だから嫌いといった感情が源になっています。僕はアートやデザインが好きですから、それを「つまらない」と思って欲しくない。できればみんなに「絵を描くのは面白い」と言ってもらいたい。

障がい者アートのイメージ
ここで上手くなることだけが目的か、という疑問が湧きます。障がい者アート>アウトサイダー・アートアール・ブリュットと呼ばれていますね。皆さんもなんとなく「あんな感じの絵だろうな」とイメージできると思います。ですが技術が上るにつれて「あんな感じの絵」から離れ、単なる少し上手なだけで個性のない絵になってしまうのでなかいか? という不安がよぎります。

初めは下手でもいい。少しずつ練習して、上手く描けたら褒めてあげよう。それが積み重なって描くことが好きになり、やがて自然に個性が生まれるのが理想なのです。


次は「道具と技法」について書き残します。

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