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羊と映画と私。

まだまだ、しばらく空に行けそうにない。

だから、過去の旅行を振り返ることが多くなった。



ニュージーランドに行ったのは、2年前の話。
転職が決まったスキマ期間、4日間の1人旅だった。

どうしてニュージーランドだったのかというと、15年越しの夢リストにチェックを入れるため。

中学生の頃、映画「ロード・オブ・ザ・リング」にドハマりした。
登下校中、映画の各キャラクターがいかにかっこいいかを友達と語り合い、お小遣いを貯めてフルカラーの高い映画月刊誌を買っては何度も何度も撮影風景の写真を眺めた。

そんな調子だったから、映画のロケ地がニュージーランドであること、撮影が終わった後も観光向けにセットが残されていることは早くから知っていた。…のだけど、正直ニュージーランドがどこにあるのか分からなかった。オーストラリアの近くだっけ?レベル。
海外にとんと縁が無かった少女時代、外国=アメリカとそれ以外、くらいの認識だったから。
そんな知識で、しかも海外旅行なんて想像もつかなかったけれど、それでもいつか行くんだと心に決めていた。

それから約15年。カナダから帰国し、無事に職が決まり、さあこの自由な期間をどうしようかと考えたときに
「そうだ、私まだニュージーランド行ってないじゃん!」
と思い出して、即準備をした。

向かったのはオークランド。目指すホビット村に一番近くて、かつ2つに分かれたニュージーランドの北島側で一番の都会(らしい)。
成田から乗り込んだニュージーランド航空のサービスがとてもフレンドリーで、現地に降り立つ前から1人旅なのを忘れそうなくらい楽しんだ。

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いざ到着して街に出てみると、コンパクトな中に生活に必要なもの全部が揃う、便利なところだった。カナダで見たようなチェーン店も多くて、何だか既視感に襲われた。

1,2日目はシティを観光し、少し足を伸ばした先でたくさんの羊を見た。ニュージーランドは人口より羊が多いと聞いたことがあるけど、ほんとにナチュラルにいた。

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いよいよ3日目の早朝。少し肌寒い空気に身を縮めながら、申し込んだホビット村ツアーのお迎えバンを待っていた。
日本語のツアーもあったのだけど、どうせなら英語で聞いてみよう!と無謀なことを考えて現地のツアーに参加した。結果、参加者の中で1人なのも、非英語ネイティブなのも私だけ。人見知り+言語が不自由というダブルパンチだったけれど、ベテランツアーガイドのニックが私をいじったりしていつも孤立しないようにそっと気にかけてくれていたおかげで、他の参加者さんと一緒になって楽しむことができた。ありがとうニック…!

肝心のホビット村は、もう、言葉に出来なかった。

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印象的なシーンが撮られた場所、主人公の住むお家、ずっと画面で見てたその光景がそのまま広がっている感動といったら。その日はあまりいい天気じゃなくて、晴れてたらもっと綺麗だったんだろうなとは思ったけど、グレーの雲に覆われていても緑は充分に生き生きしていた。

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「私、ずっと夢見てた場所に来られたんだ」

嬉しくて、夢を叶えにここへ来た自分が誇らしくて、胸がいっぱいだった。
いざとなれば、飛行機のチケットを買って、宿とツアーの予約をしたくらいの簡単なアクションだった。それでも、大げさだけど、「いつか」を「今」にするために行動できたことが嬉しかったんだ。

ロード・オブ・ザ・リングのロケ地はここだけじゃなくて、ニュージーランドの他のエリアにも点在している。時間と予算の都合で、この時はホビット村にしか行かなかった。それでも大満足だったけど、次は他のロケ地も見てみたい。

ニュージーランドにワーホリする夢はまだ諦めていない。ギリホリの1年ってめちゃめちゃ貴重なのよ…頼むよ…!と、ドキドキしながら今の情勢を眺めている。
ワーホリが叶ったら、次は南島に行きたい。まず湖近くのホテルかレストランでバイトして、お金を貯めながら現地の生活を楽しんで、そしてロケ地めぐりをしよう。次は向こうでできた友達と行きたいな。
考えただけで浮足立つ。


そのためにも今は、自分と周りの健康を何よりも優先させよう。
このカオスが終わって、皆がやりたいことを思いっきりできるように。
早く安心して外に飛び出して、ハグができる世界になりますように。

Haere ra!


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