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パンをおいしく焼ける女

新型コロナウィルスの影響下、Stay homeをしっかり実施したい。最前線で頑張っている医療従事者の皆さんのご迷惑にならぬよう過ごしたい。

そう固く誓い、家で過ごそう。家にいよう。と決意してから早数週間。

オンライン飲み会、楽器の練習、断捨離、フローリングの水拭き、いろいろやってみたが、そこそこ飽きてきた。やりつくしてきた感がある。

だったら新しいことをしようじゃないか。どうせだったら、生活が少しでも良くなりそうな、腹の足しになりそうなこと。

そうだ、パンを焼こう。

大人になってからというもの「オーブンで焼き上げる」なるものを自宅で作ったことなど一度もなかった私。そんなものは買ったほうが安いし、そこら中に溢れている。

中学の頃バレンタインに作ったクッキーがソフトプディングになり、高校の頃バレンタインに作ったパウンドケーキは”ういろう”になった。こんな失敗作を好きな人にプレゼントせざるを得ない経験など、ほとんどトラウマだ。

大学の頃のバレンタインでは、女友達がチョコレートケーキを作るという情報を仕入れ、材料費を支払い、生地を2倍作っておいてもらい、私は買っておいたケーキ型だけを彼女の家に持っていき、流し込んでもらい、急いで帰宅。予熱しておいたオーブンに放り込むという暴挙に出た。うまく焼けた。

香ばしく何かを焼き上げられる女になりたい。努力や挑戦から目を背けながらも、憧れて生きてきた。そうだ、”今がその時だ”。

前置きが長くなったが、私にとってパンを焼く、という行為は、憧れであり、驚きでもある。

この数年、Youtubeなどでぼぅっと、焼き菓子やパンを作る動画、台湾のふんわりしたカステラのようなものを焼く動画、パスタを捏ねる動画、気が付けばこのような動画を好んで観ていた気がする。

イメージトレーニングはばっちりだ。

思い立ったが吉日。数日に一度のお買い物のタイミングを利用して、強力粉を買いにスーパーへ。

ない。どこを探しても強力粉が売っていない。

スーパーを4軒はしご、ドラッグストアも2軒。すべて売り切れていた。そうきたか。Stay homeの状況下、みんな考えることは同じなのだろう。

やはりここはAmazonか。しかしここでも「春よこい」などの人気小麦はもちろん、パンミックスといった汎用品は品切れが多く、Amazonからの配送アイテムはほとんど在庫切れ。出品者のアイテムで辛うじて在庫があるといった状況。

なんとかリスドオルとかいう聞いたことない小麦粉を選んでみた。

数日後のお届け。逸る気持ちを抑え、この数日をパン作りのイメージトレーニングへの追い込みに充てるとする。

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