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夏の日差しが視線を熱くする

梅雨が明けると、熱を帯びて盛り上がる高校野球の地方大会。負けたら終わりの一発勝負。本格的な野球は高校で終わりと決めている3年生にとって最後の晴れ舞台です

当たると悶絶するほど痛い

この夏、わが母校は早々に負けてしまったが、ライブ配信でその戦いっぷりを見れるとは何と羨ましいことか。むかしは映像で見られる試合は県大会決勝だけでしたから

何ら変わらない母校のユニホーム。懐かしみながらも思ったよりカッコいいユニホームだったなと微笑むのです

よっしゃー!ナイスプレー!

近年は35℃を超える猛暑で、選手の体力面が心配ではあるが日頃から鍛えている高校球児はそれほど気にならないかも。自分は夏の暑さなんかより、幾重にも折り重なったプレッシャーのほうがはるかにしんどかったから

高校野球が楽しいと思ったことは一度もなく、陸上部かよ!ってくらい走らされ、日々理不尽なことばかりの3年間。それでも辞めたい気持ちにならなかったのは、何だかんだ野球が好きだったんでしょうね

さあ!行くぞー!

終わったときは負けた悔しさなんかより、それまで生きてきたこと全てをえぐり取られ、心にぽっかり穴が開いた感じでした

野球が取り柄だった好青年??は、プレッシャーから解放され、自由を手に入れたにもかかわらず、ふ抜けた夏休みを過ごす。『さあ遊ぶぞー!花火だー!女子たちとプール行こう!』なんて気分にならなかったあの時を、なんてもったいないことしたんだと今は思うのです


試合に出られるのはほんの一握り。部員60人いると練習はサポート役ばかり、試合に出ることもなく、最後の大会は背番号のないユニホームでスタンドから応援する同級生たち。どんな状況であっても心はひとつと思っていたが『野球部なのに野球をやらせてもらえなかった』そんな言葉を数十年後に聞かされ胸が痛む

不満があったかもしれない。それでも文句も言わずいっしょにやり切ったのは、仲間意識?野球が好き?どんな理由だったのか、さすがに聞けなかった

顔を上げて!前を向こう!


希望と挫折。たくさんの思いがこの一球に込められている。『悔いはない。オレたちはやり切ったんだ』と胸を張って仲間たちと、大号泣しながら笑顔で終われる、そんな熱い夏であってほしい

そしてオッサンになって酒を肴にこの頃のことを仲間と語り合い、やっぱ野球続けててよかった、と思えるような熱い夏になりますように


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