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初めてインターネットに繋いだとき、私の人生が変わった

時は遡ること1998年。
我が家に初めてインターネットが繋がりました。私は中学2年生。

当時は一般家庭にパソコンすらないのが当たり前で、インターネットは未知のものでした。

私は小学6年生でパソコンクラブに入りゲームを作り、中学ではパソコンが触れる選択科目(当時は選択授業の国語だった気がします)をわざわざ選んでインターネットを楽しんでいました。

それもあって、父を説得してパソコンを買ってもらったのだと思います。

なぜ父が突然パソコンを買ってインターネットを繋いでもいいと考えたのかは謎ですが、新しいもの好きの父だったからかもしれません。

当時は光回線どころかASDNのさらに前のISDN回線です。

電話1回線なので、誰かが固定電話を使っていたらインターネットには繋がらないし、インターネットに繋いでいたら固定電話は話し中になるという始末。

なので、必然的に長時間は使用できませんでした。

私はクラスで唯一、家にインターネット回線があった友人にチャットや掲示板、メールを教えてもらい、その友人とメールをしたりチャットをしたりすることから始めました。

それから個人で開設しているホームページを検索して掲示板やチャットで交流するようになっていきました。

今の若者には想像もできないかもしれませんが、当時は個人がHTMLを駆使してホームページを作っている人がいて、掲示板で交流をしていたのです(笑)

私はド田舎に住んでいたので周りに同じバンド(ビジュアル系のインディーズ)を好きな人がいなかったのですが、インターネット上には遠く離れた日本の何処かの同じくらいの年の女の子で同じバンドが好きな子がいることがすごくすごく嬉しくて、どんどんインターネットにのめり込んでいきました。

中学生は多感なお年頃です。インディーズのビジュアル系バンドが好きだなんていうと学校では浮いてしまっていて、うわべだけの友達しかいませんでした。しかも当時の見た目はギャル(笑)

一人だけ好きなものが違って好きなファッションも違っていると、田舎はハブられるんですよね。

小学校の頃から友達付き合いが苦手で、友達関係の悩みは尽きなかったし、小学校から中学校へは同じ顔ぶれのまま進学する地域だったので、正しくは中学からというより小学校からちゃんとした友達がいませんでした。

ましてやド田舎すぎて同級生は20人前後しかいないような地域です。逃げ場もないのです。

しかしインターネットに繋がるようになってから、この世はとても広くて、自分と感性が合う女の子がたくさんいて、同じバンドが好きで、好きなものを好きと言えて、朝までチャットや電話で話ができる人がいるということを知り、心がとても軽くなったのを今でもはっきり覚えています。

学校では「あの子変わってるよね」と陰で(というか堂々と)言われていたのに、世界は広かったのです。インターネットの世界に行けば私は全然浮かないし、好きなものを隠さずに堂々と好きでいられる。居場所があったのです。

それからは学校で無理して合わせる必要もないと思えるようになり、うわべだけの友達の誘いを断って単独行動をすることも増えました。それでも淋しいとか肩身が狭いと思うこともなく、「私は私」「全然おかしくないし、これでいいじゃん」と自分を少しだけ好きになれたような気がします。

あの時一番仲良くなったのは、好きなバンドのホームページを運営していた1つ下の愛知県に住んでいる女の子でした。

その子も田舎に住んでいて、見た目がギャルで、同じバンドが好きだったので、インターネット上だけの付き合いではなく、電話で何時間も話したり、手紙のやり取りをしたりするほどになりました。

その子も学校がつまらないと感じていて、学校にほとんど行っていない子でした。

その後数年、そういったやり取りが続いていたのですが、その子にやりたいことが見つかって学校に頑張って行くようになって、私も高校に入ってからは気の合う友達がたくさんできたこともあって、だんだんと疎遠になっていったのです。

住んでいる地域が遠かったので直接会うことはできなかったのですが、今でも時々その子のことを思い出します。元気かなあ。

あのときインターネットに繋がって本当に良かったと思います。そうでなければ、今ごろこんなに自分を好きになって生きて行けていないはず。

世界が広い、ということを中学生で気付けたインターネット。

今でもインターネット上で自分のビジネスを展開していますが、私の人生にはなくてはならないものですね。

#はじめてのインターネット

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