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フランス生活 Week1



le mercredi 24 avril


CDG空港に到着した。飛行機を降りたは良いが、パスポートチェックの列はとても長く、なかなか出口までたどりつけない。前に並んでいた中国人のカップルがやっと窓口で手続きを始め、そろそろ私の番がやってくるとほっとしたのも束の間、彼らが滞在先の住所や帰りの飛行機のチケットなど詳細な情報を提示するように求められているのを見て、私も根掘り葉掘り聞かれるのかもしれないと焦り始める。いろんな書類やらPDFデータをすぐ出せるように準備して構えていたのだけど、私の番がやってきたら窓口のお兄さんは「こんにちは」「ありがとう」というカタコト日本語を披露してくれてとても優しかった。厳しい質問を浴びせられることはなく、フライトはどうだった?などとたわいもない会話をして通された。改めて日本のパスポートの強さを知る。
飛行機に預け入れた荷物は2つあったが、そのうち1つは経由地ドバイで積み残されてしまったらしい。ということでCDGでスーツケース1つだけを回収して空港を出る。航空会社からは、もう一つの荷物は宿泊先のアパートに届けますよと連絡をもらったけど、一体いつ届くのか不明。無事に届きますように。
彼が空港まで迎えに来てくれていて、一緒にタクシーに乗ってアパートへと向かう。20時間かけてたどりついたフランス。まだついた実感は湧かないけれど、異国の地での生活がスタートすると思うとうれしい。ここから数日はしばらくパリに滞在して、友人と出かけたり少しリモートワークしたりする予定。

アパートのすぐ近くにはエッフェルタワーが

le jeudi 25 avril


今朝は豊島で出会った友人とパリで再会するべく、集合場所のDenfert-Rochereau駅に向かう。まだフランスのSIMカードを保持していないためWi-Fiがないところではスマホが使えず、スクショした地図や写真を頼りになんとか駅に辿り着いた。駅から集合場所までの行き方がわからずウロウロしていると、近くにTV取材のクルーがいてマイクを持ったインタビュアーと目が合う。こちらに近づいてきて「知っているフランス語の歌はありますか?」とインタビューされる。咄嗟に出てきたのがオーシャンゼリゼしかなかったので「オーシャンゼリゼとか?」と超カタコトのフランス語で答えると、いい曲ですよね〜、1フレーズ歌ってくれますか?と聞かれた。恥ずかしかったけどここはサービス精神高めでサビの部分を歌った。せっかくフランスに来ているからなんでも試したいという気持ちが働く。私は友人を待たせていたのでとにかくインタビューをそそくさと終えて、「この場所に行きたいんですがどうやって行ったら良いですか?」と友人との待ち合わせ場所の写真をインタビュアーに見せて道案内をしてもらった。
無事に友人と落ち合う。近くにあるモンパルナス墓地のベンチに座ってサンドイッチを食べながら3時間近くおしゃべりをした。フランスの空気、フランス人の在り方が心地よいと言っていた彼女、とても素敵だったな。私も彼女はフランスが似合うなと思った。とても有意義なあっというまの時間を過ごして解散。
夜は彼がミシュラン1つ星のレストランを予約してくれて、おめかしをしてレストランへ向かった。ソースの味の深さとプレート上のプレゼンテーションがフレンチ料理はほんとに素晴らしいなと思う。隣のロシア人のお客さんがクセ強めで、ギャルソンが苦戦しているのが滑稽だったが、そんなことを掻き消すくらいに最初から最後まで全部美味しかった。

le vendradi 26 avril


今朝は早起きして、彼と一緒にブランジェリーにクロワッサンを買いに行った。毎日違う種類のパンを試している。どれも美味しい。日中はリモートワークをして、お昼にはレバノン人がやっているお店でケバブをテイクアウトして食べた。今日の夜は、豊島で出会ったフランス人家族のアパートに招いてもらい、一緒に夜ごはんを食べた。3階建ての素晴らしいアパートだった。アパートのゲストルームを使って日本人向けの宿をやりたいそうで、日本人向けに宣伝したり通訳したりなど、一緒に手伝ってくれないかと話を持ちかけてくれた。将来私も自分の宿を開きたいし、 この提案は自分の夢に近づくチャンスでとても嬉しい。お互いにワクワクするプロジェクトで、話が弾みすぎてワインを2本も開けた。
23時すぎごろにフランス人家族とバイバイし、今度は彼と彼の友人が飲んでいるバーに向かう。まだフランスのSIMカードが届かないので、インターネット接続できない状態で地図のスクショを頼りになんとかバーまで辿り着いた。こういう状況の時の私、臆さずに誰にでも話しかけたり頼ったりできるし、不意に強いなと思う。バーの前に到着すると、彼の友人(初対面)が窓越しに思い切り手を振ってここだよ〜と教えてくれる。私の彼よりも友人の方が私が無事にたどりつくかを心配してくれていたらしい。スーパーノリの良いその友人は、終始ジョークを言っては大きな口を開けて自らワハハと笑っていた。彼の友人は優しい人がいっぱいで、私はいつも安心して集まりに参加できる。楽しくて2時まで飲んで、解散した。今日はとても長い1日だった。


le samedi 27 avril


パリの郊外、Saint-German-en-Layeに住む友人の家に遊びに行く。郊外に行くには特別なチケットを買う必要があるのだけど、そんなことも知らない私は市内で使用する普通のチケットで改札へ入り電車に乗った。目的の駅で降りて改札を出ようとするも、ブーーと音が表示されて改札が開かない。構内には駅員さんもいないし、切符売り場もない。どうしたものかと思っていたら、近くにいたおじさんが一緒に改札通る?と聞いてくれた。パリでは切符を買いたくない人たちが、他の人が改札を出る際に背中にピッタリとくっついて通り抜けたり、改札をジャンプしたりしている。もちろんそんなことをしてはいけないのだが、カオスなパリではもはや日常的な光景になっている。私もそのような人たちと同様で、そのおじさんにくっついて改札を出るしか手段がなさそうだった。おじさんの優しさで無事に改札を出ることができ、友人の家に向かう。
パリ市内から電車でたった30分くらいの場所にあるSaint-German-en-Layeだが、おとぎ話の世界のような野原と小川と池が広がる素晴らしい所だった。友人Eちゃん宅では、Eちゃんの友人2人も来ていて、私を含め4人でランチ&ティータイムを楽しんだ。勉強のためにできるだけフランス語で話してほしいと頼んだので話の10%くらいしか追い付かなかったが、Eちゃんがその都度丁寧に英語で説明してくれてありがたかった。しかし恋話だけはなぜかフランス語でも理解できた。
4時間ほど滞在し、パリ市内へ戻る。帰りはきちんと該当の切符を買うことができた。思ったより帰りが遅くなったので彼が心配していた。インターネットが繋がらないのでたしかに心配するよね。ごめんよ。
夜はアパートでボロネーゼパスタを作った。もちろんワインとチーズ、バゲットも忘れずに食べる。昨日が夜遅かったのと、今日自力でパリ郊外へ遠出をして、そしてフランス語を聞きまくり話しまくりで疲れたようだ。今夜は爆睡する。


le dimanche 28 avril

パリの郊外に住む彼の親戚の家に遊びに行った。3ヶ月ぶりの再会。私のことをすでに家族のように扱ってくれてとても感謝している。
彼のいとこは料理が得意で、今日はポトフを作って待ってくれていた。まゆのためにと言って、チーズも沢山用意してくれていた。以前会ったときにチーズが大好きと言ったのを覚えていてくれたようだ。ありがたや。
叔父さんも叔母さんも愉快な人たちで、フランス料理のことや政治のことを沢山教えてくれた。去年日本に旅行したときにTOTOトイレを2つも買ったと教えてくれた。しかしTOTOを購入したヨドバシカメラの照明が明るすぎたこと、そして店内で鳴り止まないヨドバシソングが頭から離れなくなってしまったことに不満を言っていた。フランス人は不満を言う国民性があるそうだ。確かに、だからストライキやデモがフランスではよく起こるんだろうね。
居心地が良くて、ランチを食べ終えた後もソファでまったりしてしまった。しまいには夜ご飯も食べて行って良い?とお願いし、夜まで滞在させてもらった。最近彼のいとこがパスタマシーンを買ったというので、マシーンを使って自家製パスタを作り、ランチのポトフの残りと和えて食べた。これがまた美味しくて、みんなでおかわりをした。とにかく沢山食べて、沢山笑った1日だった。気付いたら21時になっていて、ワインを飲んで上機嫌になっていた叔父さんが帰るのにUberを呼んでくれた。しまいには支払いまでしてくれて最高待遇の滞在だった。大好きな親戚家族、また遊びに行きたい。




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