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令和の置き石

回転寿司チェーンで”ペロペロ”した動画を上げ炎上、株価が爆下がりしたという事件があったそうで。
一昔前、いわゆる”バイトテロ”が頻発して社会問題になり、それも沈静化したけど、まだこんなことするアホが出てくるかー、と一片の同情も沸かなかったのですが、世の中にはこの“ペロペロ”高校生を擁護する奇特な声もあるようで、「そういう奴も出てくるよね」と、それにも一々驚いたり怒ったりすることもなくなった自分に、
「…あ、俺、オッサンになったのかな?」
などと妙な感慨を覚えたりしました。

子供の頃、親父に「電車の置き石と、子供だけでの焚き火、この二つは絶対にやったらあかん」と言われたことがあります。

「置き石は、小さい石を電車がパーンと砕くのが楽しくで、それでだんだんエスカレートして大きい石を置くようになって、そんでいつか脱線事故を起こすんや。そうなったら大勢の人が事故で死傷し、一家が破産したって到底払いきれん賠償金を負うことになるんやぞ」

「子供だけで焚き火をして、火の不始末で山火事が出るんや。山火事っちゅうのは一度燃えだしたらちょっとやそっとで消されへんからな。そうなったら大勢の人が火事で死傷し、一家が破産したって…(以下略」

置き石と焚き火の話は今でも親父の思い出とともにふと思い出すことがあるのですが、別にこれ、置き石と焚き火だけしなければOKって話ではないわけです。
これらに共通しているのは、その行為の危険性を認識しないまま、遊びで、冗談で、軽い気持ちでしたことが、ときに取り返しのつかない大惨事を発生させることがあり、そして一たび大惨事が発生すれば否応なく償いきれない重い責任を負わなければならなくなることがある、という点です。

この”ペロペロ”高校生も、その親も、そして「子供の悪ふざけなんだから…」と”ペロペロ”高校生を擁護する声も、子供の頃に親からこういう話を聞かなかったのかな?

この話をしてくれた頃の親父の歳に近づいてきました。
今更ながら父に感謝しつつ、我が子にもこういうことはちゃんと伝えないといかんなぁ…と思った今日この頃です。

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