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レナ

幾千年の昔、とある国にレナという占い師がいました。レナは未来を見ることができました。だから、民は毎日レナに自分の未来を見てもらい、幸福へと導いてもらっていました。しかし、毎日1000人もの民の未来を占っていたにもかかわらず、一切報酬を受け取ろうとしませんでした。それは、昔レナがこの国の民に命を助けて貰ったことへの、感謝の表れでした。
とある日、いつものようにレナに占ってもらおうという民達が、屋敷の前に沢山並んでいました。すると並んでいた民が、列の取り合いで喧嘩を始めてしまいました。周りの民が止めようとするも、おさまりません。するとまた別の民が喧嘩を始めてしまったのです。そしてそれを止めようとする民の中でも、喧嘩が始まってしまったのです。
しばらくして外の異変に気付いたレナは、屋敷から出てきました。すると、そこには燃え上がる炎が、そこらじゅうの家を囲っていました。民達の喧嘩は、火を使うにまで発展してしまったのです。この出来事はレナの逆鱗に触れました。レナは怒り、呆れました。人間の愚かさを理解しました。それを機に、レナはその国から姿を消しました。
数日後、その国に巨大な隕石が降りました。そうして国は滅んでしまいました。実はレナは、未来が見えたのではなく、未来を創造できたのでした。

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