sakura
街が春になってきた。スタバのカップが桜のデザインになった。
この春の気温、街の雰囲気、卒業、入学。
年度をまたぎ何かが動き出す感覚。
やはりワクワクする。一方でどこか落ち着かない感じもする。
そんな春。春と言えばお花見。お花見といえば桜。
今は東京に住んでいないが、僕の中でお花見といえば中目黒。コロナ禍前の春には毎年足を運んでいた。
この時期になると目黒川沿いにはたくさん出店が並び、たくさんの人々で賑わう。池尻大橋駅付近から中目黒駅付近までのおよそ2000mの中で様々な人生が行きかう。上京して初めて春。まだ慣れない同級生とぎこちない会話を交わしながら歩く学生たち。自慢の一眼レフをひっさげ写真を撮りに来た社会人。ずっとこの土地に住み今年もこの季節が来たか、としみじみする老夫婦。繁盛する出店の方々、川沿いのカフェやレストランの店員さん。
元々ここに住む人々はどんな気持ちなんだろう。普段は閑静な高級住宅街といった印象だから、少し厄介だなという人もいるのかなとも思う。
あるとき僕はイチゴのスパークリングワインをたしなみながら歩いていた。いわゆるインスタ映えみたいなやつだ。
しばらく歩いていると向かって歩いてくる女子大生の三人組がすれ違い様に”あれ買いたいね”と話し始めた。
またある時は豚の串焼きを食べていたら、すれ違った子供が
”あれ食べたい~”と言い出した。
こんなことが毎年あり、美味しいもの、おしゃれなものは、こうやって広まっていく。
ふざけて広告塔のつもりで見せびらかすように歩いたりした。
そんなバイトがあってもいいかもしれないとか言いながら。
みんな桜の下、サクラになっているんだなと思った。
安心してお花見できる春が来ることを願うばかりです。
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