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群馬県住みます芸人

※2年前に読売新聞に寄稿

2011年5月に始まった吉本興業の「あなたの街に住みますプロジェクト」。
故郷・群馬に帰ってきて丸10年。
この10年、本当にいろいろな経験をさせて頂きました。
多くの人との出会いがあり、色々な仕事でたくさんの応援を頂いてきました。
”例えば”を挙げたらキリがないんですが、
テレビやラジオなどに出演したり
イベントを盛り上げたり、
真冬の妙義のふもとでこたつを広げてすき焼きを食べたり、
地域の少年野球のクリスマス会で子どもたちと一緒にカレーを食べたり、
フルマラソンを走ってみたり、
自転車で群馬の山を登ってみたり、
おじいちゃんと漫才してみたり、
ネギを育ててみたり、
100km歩いてみたり。

10年前、群馬に帰ってきたはいいものの何をやったらいいかわからず、ひとまず35市町村の役所を挨拶して回ることから始めた頃が、とても懐かしく感じます。
今の僕たちがあるのは、あの時の「それならあの人を紹介してやるよ」であることは間違いありません。

また、ここでしっかりと整理しておきたいのが、僕たちアンカンミンカンは、何かを成し遂げたことで住みます芸人に任命されたわけではなく、試しに手を挙げてみたら、群馬県を希望する芸人が僕たちしかいなくて、「じゃあ君たちが群馬県担当ね」それだけです。
そんな僕たちを、皆さんが受け入れて、担ぎ上げて下さったから、今があります。
純度100%のおかげさま、です。

あの頃から比べたら、確実に、有名になって、発信力を持って、できることも増えました。だからこそ、ここからの選択肢は”恩返し”の一択です。

改めて、僕たち、住みます芸人というのは何なんでしょう。その自己分析と10年向き合ってきた、今日現在の僕の答えは、
どうやら、皆さんの知る、いわゆる「芸人」という職業と「住みます芸人」という職業は、似て非なるものなんじゃないかと考えています。
両者とも、当然、同じお笑いというものを商売道具にしているんですが、前者は、主に「ステージの上のお笑い」を生業としていて、後者は「コミュニケーションスキルとしてのお笑い」の実践、そこに目指す方向の明確な違いがあると思っています。人や企業、情報を結びつける、お笑いの接着剤的な可能性もここに由来します。
コミュニケーションのお笑いは、双方向が必須であるため、色々な人の色々な話を聞いて、いっぱい学びました。多くの価値観に触れて、自分の視野を広げました。
すると「課題」が見えるようになり、「自分のやるべきこと」と「求められること」のギャップに苦しむことも少なくなりました。
徹底的な自己分析の結果、他者理解ができるようになり、明確なビジョンが定まった今、10周年で気持ちを新たに、僕のやるべきこと、住みます芸人としての恩返しに全力で取り組んでいきます!

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