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ベトナムのコングロマリット企業ーVingroupの決算①Vinfast(輸送用機械など)

2023年1月31日に、ベトナムのコングロマリット企業ーVingroupの決算発表がありました。

為替はこの記事を書いている段階でのものを基準としています。

売上高は、
市場予想:約48兆9495億VND(約2739億円=約20億8845万ドル )
に対して、
結果  :約42兆5000億VND(約2378億円=約18億1319万ドル)

売上高前年同期比で+11.0%でした。

市場予想を下回る状況がありましたが、
詳しい内容について見ていこうかと思います。

・Vinfast(車製造販売)
車業界としては2017年に設立。
まだ5年ほどしか経っていないですが、
海外大手メーカーの技術を短期間で吸収したとされ、
それによりEVや電動バイクの製造などに着手しています。

CES2022(2021年12月に行われた世界中のメーカーによる新製品の発表会)
でVF8とVF9というEVの新モデルを発表した後、
Forbesで「10 Coolest Cars From CES 2022」の10台のうちの1台に選ばれました。
https://www.forbes.com/wheels/news/ces-2022-coolest-cars/
この10台に選ばれた他のメーカーは、
BMW、クライスラー、GM、メルセデス、キャデラック
など昔から自動車製造に携わってきたメーカーが中心に名を連ねたところに
Vinfastの名前が載っています。

車全体だと24000台を販売(うち7400台がEV)
前四半期は19000台
累計だと93300台

前年同四半期における自動車販売台数は、35700台でした。
ここから計算すると、前年同期比で販売台数は約33%減少ということになります。
ただ、これはVinFastがすでにガソリン駆動の自動車新製品は2020年からしておらず、
2022年には完全にガソリン駆動の自動車の新製品開発をやめる方向性で進んでいるところも考慮に入れる必要はあるかと思います。

ちなみにEVの予約件数はすでに昨年同四半期ごろの段階で4万件ほどとなっていました。現在では7万件ということで、製造が追いついていないことがわかります。直近では、納品台数がわかれば、そのまま販売に結びつき、会社の売上が確定するという流れになっています。

一方、電動バイクは
60000台販売(前年同期比42.9%増)
累計だと、162000台
となっています。

ちなみにガソリン駆動の自動車販売台数が前年より1万台ほど落ち込んでいることでの売上高に与えたインパクトは、
Vinfastが提供するガソリン駆動自動車は一台ほどで安くて2万ドルほどのようなので、
それで行くと、単純計算で、売上高に2億ドルほどのインパクトがあります。

であれば、今回の決算で市場予想を下回った理由として、EV自動車製造販売への転換期で、自動車販売台数が少なかったところが一因といえるかもしれません。

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