見出し画像

#NoMaps2024 にて情報教育必修世代の才能と社会について語る会をやります(9/13-9/14) #ITエンジニアの自由と繋がりの力 #CybozuTech

サイボウズ株式会社 開発本部 組織支援部 PeopleExperience チーム Developer Concourse Unit の西原 ( @tomio2480 ) です.今年も NoMaps の時期がやってきました.サイボウズは NoMaps2021NoMaps2022NoMaps2023 に続いて NoMaps2024 にも協賛し,CONFERENCE では一枠のセッションを,GEEK では一枠のセッションと企業ブースを担当します.

今年は 3 名のゲストスピーカーをお呼びし,4 名でのパネルディスカッションを行います.タイトルは「ITエンジニアの自由と繋がりの力〜“情報教育必修世代”の才能を社会はどう受け入れるべきか」です.CONFERENCE で先に話をして,GEEK で延長戦を行う形式です.それぞれの詳細は,以下リンク先の情報をご覧ください.

この記事では,登壇される方 3 名のご紹介とセッションに向けての前提知識や背景について紹介します.


登壇者紹介

どんな方に登壇をお願いしたか

特に今回は,情報教育を受けてきた世代と社会がどう関わり,どのようにその力を無限に伸ばしてトガってもらうのか,という観点で話を進めるために,全員必須の条件を 2 点,どなたか 1 名が満たせばよい条件を 3 点考えて,どなたにご登壇いただきたいかを考えました.次がその条件です.

  • [全員] 北海道内で活動されていること

  • [全員] 地域の IT コミュニティでの実践経験があること

  • 情報教育に精通していること

  • IT エンジニアでなく情報系コミュニティを運営していること

  • 情報系学生の中でトップクラスの活躍をされていること

ここで,登壇される 3 名のみなさまを紹介いたします.

山川 広人 (やまかわ ひろと) 先生

一人目は JavaDo から山川先生 ( @gishi_yama ) です.JavaDo は北海道内の Java が好きな方で構成される IT コミュニティです.また,先生お呼びするのは,公立千歳科学技術大学で教鞭を取られているためです.とりわけ,大学での情報技術そのものの教育や,教育を生かす情報技術がご専門です.

余談ですが,西原が高校教諭だった頃からお互いの IT コミュニティを行き来しており,次に紹介する富良野の IT コミュニティ FuraIT にも足を運んでくださっています.都市や田舎,小学生から大学生,学校とコミュニティ,それぞれの環境や立場での情報技術教育にお詳しいため,お呼びしました.

鴇田 基 (ときた はじめ) さん

二人目は FuraIT(ふらいと) から鴇田さん ( @kobutorigattu ) です.先もあげた富良野市で活動する IT コミュニティ FuraIT の代表を務められている方です.元は西原が立ち上げた FuraIT ですが,私が富良野から引っ越すことになり,代表を引き継いだ関係にあります.

本職は消防士であるため,IT エンジニアにはかすりもしませんが,富良野市近郊の人を集め,電子工作や CG など,小学生から 50 代までみんなが技術で遊んで楽しめる空間を作っています.学校でもない,会社でもない,趣味的に子どもも大人も伸びる空間の実態を知る方としてお呼びしました.

多田 瑛輝 (ただ てるき) さん

三人目は Mariners' Conference (通称:マリカン) から多田さん ( @perukifun ) です.現在,公立はこだて未来大学の学部 3 年生で,第13期 サイボウズ・ラボユース,2023 年度の北海道ITクリエータ発掘・育成事業「新雪プログラム」に「ゲーム・映像表現の可能性を広げる地形生成ライブラリの開発」がそれぞれ採択され,学んでいる情報技術の力を遺憾無く発揮されています.

さらに,公立はこだて未来大学の LT サークルである Mariners' Conference では部長を務められています.地域の IT コミュニティとゆるやかに協力し,中学生,高校生,高専生をはじめとする生徒や学生も含む,大学に閉じないコミュニティの形成を実現しています.大人世代とこれからの世代をつなぐ重要な役割を果たされている,まさに現役の方としてお呼びしました.

セッションに向けて前提の補足

情報教育の立ち位置の変化

情報化社会と言われて久しく,社会で求められる能力は,コンピューターを操る能力にとどまらず,大量のデータを分析できる能力や各種 AI を用いてさまざまなものを高速に生み出す能力など拡大し続け,止まるところを知りません.こういった社会背景がある中で,こどもたちへの情報教育を強化する話が進んでいます.

参考リンク 1 :
情報教育必修化のスケジュールについて詳しく載っています.
(文部科学省取材)高校「情報Ⅰ」必修化、大学入試「情報」新設どうなる?高校情報科教科調査官 鹿野利春氏に聞く

参考リンク 2 :
2020 年時点でのプログラミング教育の取り組みが詳しく載っています.

※ 私たちのセッションで触れる「プログラミング教育」は文部科学省のページのとおりの取り組みであり,一般の IT エンジニアを養成するようなエンジニアリング教育とは異なります.ただ,エンジニアの養成にも関係する話題が出てきますので,明確にこの 2 つは分けて話を進めます.

これらの取り組みは,何も最近急に始まったことではなく,1990 年代には数学をはじめとして,プログラミングやコンピューター,統計等の現在求められている情報活用能力の一部を教育課程に組み込む流れがありました.

これは現在に至るまで,教科書にも掲載されていて,センター試験でも取り扱われていました.しかし,主流になることはなく,一部,こういった科目を得意とする生徒や工業高校や商業高校にて専門科目の授業を受けている生徒に使われるに留まり,存在はするが広く活用されているといえる状況ではありませんでした.

参考リンク 3 :
情報科目と入試の関係について詳しく書かれています.
あなたにとって「情報」は入試科目ですか?の歴史

情報科目の学びを必ず通る世代の発生

こうした流れで児童,生徒に情報科目に関する学びが行われることになり,ついに大学入試も変わっていくことになりました.「情報Ⅰ」という科目については,2024 年度実施の大学入試では国立大学の 96 %,公立大学の 45 % が必須としており,配点の重さにばらつきはあるものの,必ず受けなければならない状況になりました.

参考リンク 4 :
2024 年度受験生,2025 年度入学者試験における,情報科目の入試配点についてのまとめが載っています.

参考リンク 5 : 
北海道大学における配点なしから配点ありについて書かれています.

今までと違う教育を受けた新しい人たちの才能とどう向き合うか?

IT 人材の不足は 2030 年には 40 万人から 80 万人ほどに拡大すると言われているように,社会の側でスキルを持つ人材の確保が急務である中,教育の側からも全体のベースアップの施策が打たれた形になります.

今までは教育の側で情報系の学びがあまり取り組まれていない前提で,社会の側でどういった受け入れ体制を整えるか,どのように研修や資格試験への取り組みを行うのかなど,苦心してきた企業も多いと思います.

いわゆる IT 系の企業ではインターンシップの取り組みを広げたり,新人研修資料を公開するなどして,学生のうちに企業のリアルにアクセスできる状況を作り,より早い段階から必要な専門的スキルを磨いてもらえるような動きも広がっています.新人研修の資料公開インターンシップと,いずれもサイボウズも行っていますが,一定の効果を感じています.

参考リンク 6 :
過去の IT 系企業の新人研修資料まとめが載っています.
https://gist.github.com/gcchaan/02f4746a323acac4095c30e0783a3912

また,全国的な取り組みである未踏事業や,北海道内の取り組みである新雪,民間企業の取り組みであるサイボウズ・ラボユースなど,最先端をゆく人材を見つけ出し,日本を引っ張る人材まで押し上げる側の動きも,このベースアップの流れをどのように受け止めるのか,あるいは影響がないのかなど,考えなければいけません.

情報の世界に入ってくる動機の変化

多くの方は,コンピューターが好きだから,機械が好きだから,数学が好きだから,といった嗜好性の入り口から,情報に関する勉強や仕事に入ってきたのではないか,と感じています.

一方で時代が移り "IT 革命" がニュースでも取り上げられてからは,ビジネスでの成功や社会へのインパクトを重視して業界を選ぶ方も増えており,先の情報や技術が好きで入ってきた方とは異なる動機も多くを占めています.これは IT,マルチメディア,ユビキタス,ビックデータ,IoT,ブロックチェーン,AI…… と時代とともに分野や言葉を変えながら,脈々と続いている現象に見えます.

そして,情報教育の必修化により全ての子どもたちが情報を学ぶことで,これらの大きな 2 つの動機に加え「何となく成績がよかったから」という層の拡大,つまり,今まで以上に "なんとなく能力を評価されたから選んだ" という層が増え,業界内に "強い動機を持たない進路選択者" の割合が増えるということが想定されます.

社会の側から彼らにできることは何か?

せっかくの能力が生きる社会があるのだから,社会の側から情報活用能力が生きる社会課題や,情報技術やコンピューターサイエンスそのものの面白さを伝えていき,なんとなく学んできた層にもその意義深さや楽しさを伝えていくことが,私たち先人に求められているのではないでしょうか.

共に情報化社会を歩む仲間として,これからを生きる世代とどう向き合い,どう活躍の場を提供し,どう共に活動していくのか,これらを考えるセッションにしたいと考えています.

セッションに向けてアンケートにご協力ください

当日のセッションで触れる話題のために,アンケートを取っています.みなさまの疑問や思いをお伝えいただき,当日のセッションをより有意義なものにしたいと考えています.ぜひご協力ください.

このセッションを聞くために

CONFERENCE と GEEK で対応が異なります.購入の手続きが必要なものもありますので,詳細は次のリンク先にある表をご覧ください.

CONFERENCE は NoMaps パスポートが必要です

NoMaps パスポート,NoMaps プラチナパスポート,NoMaps 学生パスポートのいずれかが必要です.8/31 までに購入すると早割が効くようです.また,学生パスポートは無料ですので,ぜひご活用ください.

GEEK はどなたでも参加可能です

CONFERENCE と違って,各種 NoMaps パスポートを購入する必要はありません.もしかすると connpass か,当日の記名等にて,申し込みに類する手続きが必要になるかもしれませんが,手間はかからないはずです.

当日お待ちしております

みなさんにお会いできること,またこのテーマでお話しできることを楽しみにしております.ぜひ当日,会場にお越しください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?